サマーズでも誰がFRB議長なろうと中央銀行は波乱含み!?
みなさまこんばんは!Good News and Companiesの崔真淑/さいますみです。
今回は、アメリカの次期FRB議長が話題になっていることもあり、それに関した話。そして、ハト派、タカ派に関係なくFRBに誰が議長になろうと出口戦略の手法には変わりがなかったかもしれないこと。そして、同じように大胆な金融緩和を行なっている主要先進国の中央銀行も同じ減少が起こるかもしれないことをまとめてみました。
*サマーズ期待が一転、サマーズ辞退報道
先週の金曜日に日経からFRB議長にサマーズ氏に!?という報道が流れたことで、円安に動き国内株式市場が取引終了にかけて持ち直しました。この背景には、サマーズ氏がいわゆるタカ派であり、米金融緩和縮小を早期に終わらせ、米政策金利の利上げ期待が資本市場に醸成されやすいという思惑があるからです。アメリカの政策金利が高くなったら、相対的に日本の金利は低くなりますからね。
そして、彼がタカ派と言われているのは直近の発言だけでなく、過去の彼の論文からも見られます。2012年に書かれた「Fiscal Policy in a depressed economy」の中で、失業問題そのものが経済の需給ギャップによる循環的な結果からではなく、構造的失業による影響が拡大していることを指摘しています。
財政政策は政府が需要拡大を刺激し、金融政策は物価を安定させることで世の需給を安定
させることが目的です。そして、最終的には雇用環境も適正な需給に落ち着かせようとしています。しかし、構造的要因が失業の影響の主要因となれば既存の財政政策はおろか、金融政策が失業率回復への効果が薄いことになります。同論文の中でも、彼は金融政策の効果が意外に薄いのではと指摘しています。
こうした経緯もあり、サマーズ氏がFRB議長になれば、早期に米金融緩和は終了するだろうとの思惑がながれました。では、現在の候補としてあがっている、イエレン女史が議長になれば大きく何かは変わっていたのでしょうか?結論からすると、サマーズ氏になっていも大胆な金融緩和縮小はできず、イエレン氏がなろうと、サマーズ氏がなろうと関係なかったと思います。そして、これは金融緩和を進めてきた他中央銀行も同じ道を辿るとおもいます。
*これからの主要先進国中央銀行が抱えるだろう問題
理由は、金融緩和に短期国債でなく長期国債保有を進めたからです。
まずは、金融緩和先輩国の日本を振り返ってみます。
2008年以前から先進国で唯一(!)超金融緩和を行なってきたのは日銀。その日銀は、現在の量的質的金融緩和を行う前は、過去に①量的緩和②基金設立とペアにした包括的緩和策をおこなってきました。手法は短期国債を中心に買いを行なう手法です。この二回とも短期国債を中心に金融緩和をおこなっていたので、出口戦略時においても、短期国債売り出しによる長期金利への影響は小さく、そして償還を待っていても短期間でバランスートは縮小し、民間銀行への付利負担は小さいものですみました。
ですが、今回は、長期国債を買い入れています。出口戦略のリスクを考えると、各中央銀行は、急速にバランスシートを縮小することが出来ずに、資本市場への過度な金融緩和の副作用は顕在化した状態が、数年以上は続くでしょう。理由は以下です。
①長期国債の売却は、長期金利上昇がリスクが大きい。長期金利低下によって増えた住宅投資などの急速な減退が起こるかもしれない。
②長期国債売却でなく償還を待つにしても、景気がよくなるから出
現在、長期国債をバランスシート上に沢山保有しており、ここからの利回り収入も入ってきます。ということは、付利負担VS国債利回り収入によって、中央銀行のバランスシートがどれぐらい毀損するかが注目されます。
また、これだけでなく、今の中央銀行は、自ら行なってきた金融緩和策によって、超超超高い値段で長期国債を購入しています。これらを仮に景気改善時に売り出すとなれば、とんでもない評価損が中央銀行に降り掛かる事に…
中央銀行の財政状況が、為替市場の焦点に
③長期国債売却でなく償還を待つことのもう一つのリスクは、資本
同一業種の金融市場の国債連動性だけでなく、異なるリスクアセッ
ということで、米中央銀行はしばらくは身動きとれない出口戦略にヤキモキするのではないかと考えています。
今日も読んで頂きありがとうございます!
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崔真淑/さいますみ