”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

アジアへの資金流入期待は強いけど、ほんまにアジア経済は復活するん?

みなさんこんにちは!Good News and Companiesの崔真淑/さいますみです!

今日もラジオNIKKEI「さいますみのマーケットライブ」でお話しきれなかったことを記していきます!

 

*米雇用統計の回復は鈍化へ

9月米雇用統計の回復は減速していましたね。また見た目の雇用者数だけでなく、雇用者の労働時間(雇用者×週平均労働時間)も鈍化とは…7-9月期の総労働投入時間は前期比年率+1.2%と(4-6月期の前期比年率伸び率は+2.1%、1-3月期は+3.6%)鈍化傾向が続いています。

 

雇用環境が回復するためには、まずは既存の雇用者の残業代UP→ボーナスUP→企業が新しい雇用を生み出すという流れが一般的です。しかし、米政府機関閉鎖の話が出る前からこれということは、米経済依存の強い今のマーケットには、懸念が残る結果でしょう。一方で、こうした結果から、米金融緩和が縮小されるのは来年でしょ!という雰囲気が漂っていることから、米株は意外に堅調です。また米金融緩和によって生み出された過剰資金が新興国に流れ続けるとの思惑からアジア株も買われたり…でも、これでアジア経済は以前のような輝きを取り戻すのでしょうか?

 

*今のアジア経済

IMF は新興国、特にアジア各国の成長見通しについて、2013 年だけではなく 2014 年以降の中期についてもかなり大幅に下方修正しています。これまでのアジア経済は、人口構成の優位性(若さを反映した人口ボーナスの享受)などもあり、成長率が先進国以下に陥る機会はほとんどなく、今後もその可能性は小さいでしょう。しかし、IMFの大幅な下方修正が反映しているように、以前(アジア全体で2004 年から 2007 年にかけての成長率は 7%以上)のような輝きが一気に戻るのは難し状況のようです。

理由は、2000 年からリーマン・ショック前年の 2007 年までの、急成長期にはGDPに占める固定資本形成の比率の上昇が支えとなっていたからです。つまり中国だけでなく、投資主導型高成長がASEANでも行われていたのです。新興国が経済成長においては投資活性化でロケットスタートをさせて、そのごに消費と投資が平行して成長することが重要です。また、投資主導の場合は経済的に未熟な国は、経常赤字になりやすいのですが、現在では多くのアジア各国で経常黒字に転じるほどの勢いを見せてきました。ここからもアジア各国は経済的にかなり大人になりつつある姿がみえます。

 

そして、これまでのアジア経済を支えてきたのが、アジア各国は輸出に資源などの一次産品を輸出してきました。これを支えてきたのが中国で、それに伴い資源価格も上昇し、アジア各国の豊かさかに貢献。それもアジア各国の投資活性化につながりました。現に、中国とアジア各国の投資率をみると、連動している姿がみえます。以上のことを考えると、

 中国経済が弱い事や、これまでの投資ありきできた成長の反動が、アジア経済の輝きを送らせそうです。

FOMCでアジア各国の株価、通貨は乱高下しそうですが、中期的には経済成長率は弱い動きとなると考えています。

 

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崔真淑/さいますみ