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”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

ゼネコン決算から見る「アベノミクス第二の矢」の未来とは?

みなさまこんばんは!

Good News and Companiesのさいますみ/崔真淑です。今回もラジオNIKKEI”さいますみのマーケットライブ”でお話ししきれなかったことを書き記していきます。

アベノミクス一周年!ということもあり、ゼネコン決算かラ考える、アベノミクス第二の矢「財政政策」の未来についてまとめます!

 

*ゼネコン決算の中身は…

一昨日に清水/鹿島/大林組/大成の大手ゼネコンの決算が終わりました。

2013年4~9月決算は4社すべてが増収を確保しました。しかし…大林組と鹿島が営業減益。14年3月期について、大成/大林/鹿島の三社は営業利益見通しを下方修正。背景には、公共事業の増加、東日本大震災の復興関連事業の本格化で受注や売り上げは伸びているものの、人件費増加や資材費高等でマージン悪化が原因です。

実際、建設躯体工事の8月有効求人倍率は6倍(!!)超えと、建設業の労務費を吊り上げるしかない状況。全体では0.95倍ですから、どれだけ建設業に人が足りないかがイメージをつくかと思います。(*1倍を超えるほどと労働市場は売り手市場といえます)

 

*第二の矢について

安倍政権は「国土強靭化」政策を掲げているだけでなく、2020年の東京オリンピック開催を目標に、今後も「第二の矢」=公共投資に強く依存していく可能性があります。結果、国内資本市場は金融相場頼み(11月14日時点)から、財政政策頼みになってより加熱感がが増していくかもしれません。しかし、本当にそれは可能なのでしょうか?金融政策に比べて財政政策は効果も、そして継続性もかなり難しい局面に来ていると思います。

 

財政政策に依存することは、先進国中で最悪の日本の財政状態を一層悪化させるリスクがあります。そして、今回のゼネコン決算からわかるように、人材確保の難しさがネックとなり、公共工事=財政政策の執行が滞っていく可能性も否定できません。

 

スーパーゼネコンは、減益見通しを発表する会社が目立ちましたが、中堅建設業は利益率の良い工事を選択しているせいか、増収増益見通しを発表する会社もあります。コストがかかりすぎれば、各社は工事の選別を行うし、思うように国の財政政策

回らない可能性もあると思います。財政面だけでなく、人材面からも公共工事による国の景気浮動効果インパクトは小さくなる可能性は否めません。

 

*建設業に人が集まらない理由

賃金が相当上昇しても、若者を建設業に引き寄せるのが難しいのが有効求人倍率等からわかります。(今の建設業に集まっている世代は、大部分を40-50代の方がしめています。)この背景の第一の理由は、厳しとされる労働条件。第二の理由は、当面は震災復興や東京オリンピックなどで建設需要が見込めるとしても、長期的に需要が継続する見込みがないことで、就業しようとする方が増えるような地合いでないからです。市場の伸びが期待できないところに、えい!と就職を希望する方は少ないでしょう…

 

官民の建設投資額は、1992 年度に約 84 兆円とピークを付けた後に削減傾向です。特に公共投資は、ピークだった 1995 年度の 35 兆円から、2010 年度には 17 兆円と半減しています。また、それに伴い建設業の就業者数は1999 年度から、業者数は 2001 年度から減少しています(出所:国土交通省、人口問題研究所)。この投資額と業者の減少傾向は、人口動態とリンクしています。そりゃ、生産年齢人口が減れば家を建てるぞ!という人もへりますよね。人口減少の中では、建設分野の国内市場の伸びは期待するのは改めて難しと感じます。。

 

*じゃあ、人口一極集中地域の建設業の伸びは?

では、国内でも人口がこれから一極集中する市場は期待できるのでしょうか?

一極集中が続く東京でさえも、2015年をピークに人口がが減少すると予測されています。東京も厳しい市場になりそうです。以上より、長期的ビジョンが描けにくければ、建設業者も多大なコストをかけて人材育成を行わないでしょうし、建設業を選択する人は更に減るかもしれません。となれば、財政政策はこうした人材問題を背景に、どこかで詰まる可能性も…

そして、上手くいったとしても、生産年齢人口が減少するなかで過剰な建設や公共投資の反動が怖いです。

 

*過去のオリンピックの教訓

実は、以前の東京オリンピックの後ですら、過剰投資の反動で大幅な景気失速を経験しています。GDPに占める民間設備投資は64年→65年−2%に反動減。日経平均も急落。ただ、その当時の日本はまだ成熟しきっていないこともあり、潜在成長率が高くて、その後も高成長は続きましたが…

 

やはり、今の日本には公共投資は機動的に行うことが必要だと改めて感じます。

今日も読んでいただきありがとうございます。

応援いつもありがとうございます!

 

さいますみ/崔真淑