”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

2015年は電車賃改定がホンキで議論される!?ウーマン目線で経済学的問題解決法を考えてみた!

新年あけましておめでとうございます。Good News and Companiesのマクロエコノミストの”さいますみ/崔真淑”です!

今回は2015年の日本経済に起こりうる予想について。BSJAPAN「NIKKEI朝とく“さいますみのエコノゼミ”(毎週金曜日朝6時40分~)」の放送内容では資本市場に関連した大胆予想をお話しましたが、今回はスピンアウト版。女性目線も加えました。

私が2015年に注目しているのは、①円安輸出効果②地方創生③ウーマノミクスです。

 

 f:id:saimasumi:20141226062459j:plain 

(制作:日経映像)

 

*ウーマノミクスGO!で起こりうる問題とは

今回は③に関する話を。昨年クリスマスイブに安倍第3次内閣が発足しました。前回同様に女性活用と子育て支援、役員の女性ポスト等々が議論されています。ただ、独身、既婚、自営業、フリーランス、会社員全ての女性に関係しうる意外な社会問題も、まだ沢山あります。例えば、働く女性が増えると、電車を使う人が増えます。そうなると…

都心の通勤ラッシュ加速と、それに伴う電車チカン

の心配が。。いきなりミクロな話かよ!とツッコまれそうですが、これ根深い問題なんです。こんなショッキングなコラムもみつけたこともあり、どうしたら解決できるかを考えてみました。

既に満員電車による社会コストも議論されていますが、これだけ女性進出が謳われているだけに、女性への満員電車コストも本格的に議論され始めるのではと。実際にチカンに遭遇しても、声を上げれば冷たい視線。。そして、女性車両が導入されたからと大幅に電車チカンが大幅に減少したという話も、あまり聞かないです。

 (注:このブログではウーマノミクスは、とにかくこの問題解決を優先すべきだとか、そういう話はしていません。起こりうる問題の一つを挙げて、今回は、上記の内容にフォーカスしたというだけです。)

 

*満員電車の社会コストとは?

ここでいう社会コストとは経済活動の過程で生じる望まない副作用(=外部不経済を指します。例えば、公害や道路渋滞も当てはまるでしょう。豊かになるために経済活動を行うのに、こうした副作用が大きくてはトータルでみると社会への悪影響が大きいかもしれません。過去の論文では、こうしたコストを何で定義するかで社会的コストを数値や金銭価値で算出しようとしています。

 

*社会コストの算出方法は?

例えば、東大の家田仁教授等(1989)の研究では、通勤鉄道利用者が混雑を回避するために受け入れている乗客時間を実測し、この延長時間を混雑疲労コストしています。その他では、阪大の八田達夫教授等(2000)は、JR中央線沿線の家賃データに注目して通勤に関する金銭、時間的コストを算出。それに占める、疲労コストの割合を出しています。日本は、通勤電車賃が会社から支給されるのが当然なのに、都心から離れるにしたがって地価が下がります。これは、通勤に要する時間、混雑の疲労コストが家賃、地下に反映されているとしたのです。斬新ですよね!

 

*じゃあ、どうしたら解決できるの?

ラッシュ時にタイムリーに電鉄会社が電車を増やすといった解決方法もあるでしょう。しかし、その時間帯に集中する人間の数が多いし、出せる電車にも限界はあります。過去の研究から言われていいるのは、

「最適混雑料金」

を導入することです。これは、1人の乗客がその混雑した列車に乗車した時に、他乗客の疲労を増大させるコストを金銭価値に置き換えたものです。ラッシュ時間帯は、通常の乗車料金よりも高くして、ラッシュを緩和させようとするものです。八田教授等(2000)では、現行運賃の~3倍程に設定する必要があると示しています。

もしも導入されたら、通勤ラッシュはもちろん、混雑が解消されて電車チカンが大幅に減少する可能性もありそうです。ウーマノミクスGO!で、2015年は電車賃金改定が本格的に議論される気配が!?

 

本年は評論だけでなく、経済学、経営学や社会科学により、みんなに最適な社会を創る解決策も模索します。

今日も読んでくださってありがとうございます!

 

さいますみ