J-WAVE「STEP ONE」出演後記~なぜ、現代アートと株価には共通点があると感じるのか?~
みなさま、こんにちは。
エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。皆様のおかげで、無事に新年度入りの準備も出来てきています。
今回は、先日出演させて頂いたJ-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)コーナー「PICK ONE」を振り返ります。番組では、News Picksで自身がPickした記事をベースにサッシャさん、寺岡さんとトークをさせて頂きました。
(サッシャさん、寺岡さんと一緒に!)
*テーマに選ばさせて頂いた記事について…
今回取り上げた記事は、こちらです。内容は、東京画廊社長の山本豊津氏へのインタビューを通してアートを知ることによる経済や国家の仕組みがどのように見えてくるかが展開されています。第一回目記事には、アートの値付けの仕組みが描かれています。自身は、その値付けの仕組みのところに、アートと株価に共通点があるのでは!?と感じたのです!加えて、少額ではありますが現代アートのコレクターというのも、この記事を取り上げた背景にあります。
その肝心の記事中で、山本氏はアートの値付けの仕組みを以下のように語っています。
商品の価値は、「使用価値」と「交換価値」の2つに分けて考えることができます。使用価値とは、商品そのものが使われることで生まれる価値のことです。ノートや鉛筆は文字を記録することで、野菜や肉は食べることが価値となります。一方で交換価値は、ある商品と他の商品を交換するときに発生する価値です。現在は貨幣と交換することがほとんどなので、その交換価値が「価格」となります。
News Picsk オリジナル記事 【新】アートを知れば、国家と経済の仕組みが見えてくるより引用
と、記されています。まず、価格を2つに分けて考えるところも興味深いのですが、その「交換価値」は虚構の上に成立しているとの表現に、経済はもちろん株式市場との共通点を感じたのです。また、記事中にはアートの価値を高めるには、多くの人にいかに見られるかが要という考え方が近代西欧で生まれ、それが美術館の発展にも影響したようです。
この、2つの価値が存在する様や、また多くの人に如何に注目されるかが要というIRのような様は、まさに株式市場に非常に似ていると感じたのです。
*なぜ、アートと株価の値付けに共通点を感じるのか?
株価は、理論的にはその企業の一株辺りキャッシュフローの現在価値と定義されており、アカデミックな分野では交換価値と使用価値という厳密な定義は自身は聞いたことがありません。
しかし、日々の株価を見ていると、そこには「株価という日々の交換価値」と「アートの世界でいう使用価値という潜在的な企業価値」が存在しているのではと思うことや、この2つの価値の乖離が起きていると感じることがあります。つまり、日々の株価が、本当にその企業の潜在的な企業価値だけを反映しているとは思えない!やはり日々の株価は需給ありきでは!?と痛感することが多いのです。
例えば、IRが非常にうまい企業なんかは、え?と思うような業績でも株価は上昇を続けることがあります。この様は、上記でも書いたように、アートが多くの人に注目されたりみられることで価値が高まるという様とも似ているようです。IRは、株主と上場企業の情報の非対称性を埋めるために存在します。もしかしたら、美術館という仕組みも、そうした考えがベースかもしれませんね。
また、虚構のような値段がついた株価も、高い株価がついたことで企業が資金調達がしやすくなったり人材採用が容易になるなどして、虚構でなく本物の企業価値になることがあるでしょう。(実際に、そういった局面をみてきたので…)
虚構も長く続くと、本物になるのかもしれません。
これは現代アートの値付けの動きにも近いものがあると現代アート素人ながら感じます。例えば、現代アートでは作家が所属しているギャラリーがどう仕掛けるかや、世界の金融緩和で金余り現象が起きてお金持ちが増えるなど、そうしたことも値付けの一部に反映されるでしょう。
仮に虚構のように見える値付けをされたアート作品も、高い価値が付くことで、作家が更に自信をもち、より多くの人に認められるだろう作品が出てくるきっかけになるのかも…
*アートと株価選定の共通点!?
まずは値上がりしそうとかそういう視点でなく、その作家を応援したい!この作品は美しい!という視点でアートと触れてみると、人生が更に豊かになる気がします。
これは株式でも言えます。プロの株式投資家でないような職業の人は、まずはこの企業を応援したい!この理念に共感する!という気持ちを大事にすることで、人生が更に面白くなるきっかけになるかもです!
今日も読んでいただきありがとうございます!
応援ありがとうございます!
崔真淑(さいますみ)
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