”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

「AI株価予想」と「AI競馬予想」を経済学の視点で比較したら「一般均衡」と「部分均衡」の違いに似ていると思った話

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皆さま、こんにちは!
エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。
元旦早々に、25年ぶりの鼻血が出た自身です。波乱の幕開けかとドキドキです。

今回は尊敬する経済学者の方々も参入しつつあるAI業界について。 2019年は、期待先行型の第三次AIブームは落ち着くとの研究者の声を多数ききます。当然のように使われ初めて、AIの課題に冷静に向き合う年になるのかも。

 


*AI株価運用や予想について

自身の周りで一番身近なAIと言えば株価予想です。経済番組のアンカーやコメンテーターとして日々の株式市場に言及することが多いからです。そして、その運用実績や予想的中率にも課題山積だよね〜というのは金融業界から多数聞きます。最悪の場合、日経平均TOPIXなどのインデックス以下の場合もあるとか‥運用ついては例えば、この日経記事とかも参考に。

 

AIも手を焼く日本株 経験則通じず成績低迷:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34790190Q8A830C1EN1000/

 

株価は理論的には、当該上場企業の一株あたり将来キャッシュフローの現在価値と定義されています。でも実際には、かなりの数の変数が影響し合っていいます。更には、株価に影響しうる変数も常に変化します。あー将来予想って難しいんだなー株価だけじゃなく全てのジャンルでそうなんだなーと感じていたのです。そしたら、なんだこのAI将来予想はーー!と驚いた物に出会ったのです。それはAI競馬予想です!

 

*驚異のAI競馬予想

再放送決定! NHK「ノーナレ」吉冨隆安vs競馬AIの馬券対決:netkeiba.com
https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=149230

 

URLは先日のNHKで放送された、AI競馬予想とプロ競馬予想士の吉富隆安氏のバトルについての記事です。興味深かったのは番組では、AI競馬予想が的中率80%を超えているという‥ただし、AI競馬予想は回収率は100%を下回っており、回収率で130%を超えていた吉富氏が優っていました。オッズ低めの手堅いところにAI競馬予想は強いのかも!? 下記の新聞をみても、競馬界隈ではAI競馬予想が影響力を増しているのを感じます。

 

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自身は競馬はど素人ですが、競馬の勝敗に影響する変数といえば、競走馬の血統、体調、ダートor芝、騎手の質、体調、当該競走馬と他競走馬の相性‥変数は無数にあると思います。しかし、なぜ AI競馬予想はこんなにすごいの!

 

*違いは予想が現実に影響するかしないか?!
上記のAI株価予想とAI競馬予想の的中率の違いについては、最初に自身が思いついた仮説は、

 

「将来予想の精度は、予想が現実に影響を与えるかの有無に、影響を受ける」

 

というものです(もちろん株価はべき分布で予想が難しくてとかいう意見もありますが、あくまで経済学の視点でどんな要素が影響しうるかを思案しているだけなのでご了承ください)。この仮説を、尊敬する経済学者の方に話をしたところ‥

 

「あーなるほどね。部分均衡か一般均衡かってことなのかな」

 

との返答が。部分均衡と一般均衡の違いは経済学の本で確認して頂けたらと思うのですが‥ つまり、株価予想というサービスを出した瞬間に、いろんな人が真似をしたり意識することで株価需給に影響しかねず、高い的中率を出せても、同じモデルのAI株価予想では的中率は長続きしにくいのかなと。また、そういう背景があるかたこそ、株価予想に効く変数はどんどん変化していのでしょう。

一方で、AI競馬予想が予想を出したからといって、競走馬も騎手の行動に影響はしないでしょう。また株価のように、予想に急に効かなくなる変数というのも少ないのかもしれません。

 

*AI株価予想とAI競馬予想から考えるAI予想
上記の話を一般化できるならば‥たぶんAI予想が強いのは予想が現実に影響を及ぼさないような物なんでしょう。例えば、AIによる病理診断とか。AIがこの病気です!といって、急にその病気になることはほぼ無いでしょうし。

またAI競馬予想も、その高い的中率を維持すると、みんなが同じ予想で馬券を買いに行き、手堅いレースのオッズがどんどん低くなっていき、寺銭を差し引いた元金を取り返すのは難しいことが起きる可能性も。

まあAIで株や賭け事で勝ち続けるというより、人間をサポートするAIサービスを展開するのも悪くない戦いかもしれませんね。

応援いつもありがとうございます!読んで頂きありがとうございます!
崔真淑(さいますみ)

 

*写真は自身で撮影した大好きな漫画の表紙と、競馬予想の新聞です。自身が写っている写真は番組出演時のものです