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”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

なぜ、インドネシア通貨は下落しやすいのか?〜経常赤字以外の理由〜

みなさまお久しぶりです!Good News and Companiesの崔真淑/さいますみです☆

ブログ再開です!以前はコチラで書かせて頂いておりましたが、Hatenaさんに引っ越しいたしました。引き続き宜しくお願い致します!

今回はインドネシアルピアについて記します。

 

*新興国で何が起こっているのか?

いま、インドネシアなどの新興国通貨の下落が目立っています。この背景は、アメリカが金融緩和縮小(テーパリング)実施が現実味を帯び始めているからです。アメリカなどの先進国が超金融緩和を実施→先進国は軒並み超低金利→運用先を求めて余剰資金が世界をさまよう→リスクは高いが高金利をもとめて新興国に余剰資金が流入(新興国の国債、債券、株式、直接投資…etc)、といった流れから新興国の通貨は買われやすくなっていました。しかし、アメリカがテーパリングを実施するということは、アメリカの金利が上昇するということ。リスクをとってまで新興国で運用する必要性が無くなり始めていることで、新興国から資金が逃げ始めるかも!?という思惑から、多くの投資家が新興国通貨を売り始めました。

 

*インドネシアはどない?

特に、新興国通貨の中でも経常赤字の国の通貨は下落率が顕著です。インドネシアやインドが該当します。経常赤字それ自体は、大きな問題ではありません。ただ平たく言うと、経常赤字ということは、国内のお金の流れを海外からの資金流入への依存度が高とも意味します。先進国に比べて経済基盤が弱い新興国から急激に資金が流出すれば実態経済への影響(通貨安によるインフレなど)は大きいでしょうし、経常赤字の国であれば尚の事。そこで、経常赤字国の通貨は下落が目立っているようです。そして、インドネシアは経常赤字国の中でも更に通貨下落が進みやすいと、私は考えています。

 

*経常赤字以外の理由

理由は、インドネシアは来年に総選挙を控えているからです。中央銀行の最大使命は物価の安定です(国によっては、それだけじゃないところもあります)。景気を一時的に減速させてでもインフレ抑制のために通貨安&経常赤字拡大を防ぎたいとしています。一方で、政府は選挙を意識して景気拡大策打ちたい… 矛盾を抱えているだけに大胆な資本規制も利上げもしにくいだろうと、インドネシア通貨は安心して売られやすくなっているようです。

 

*インドネシア中央銀行と政府の動き

29日にインドネシア中央銀行は0.5%の金融利上げ実施。

ただ、新興国の金融システムは強固ではありません。なので、金利波及の仕組みが効果的に働かない場合が多々あります。よって中央銀行は金利だけに頼るわけにはいきません。インドネシア中央銀行はマクロプルーデンス政策(民間銀行の最後の貸し手としての中央銀の役割や、民間銀行の貸し出し規制を行う等)をとっていることもあり、民間銀行で過剰な貸し出しを行うところには規制をかけてインフレ抑制に乗り出す可能性があります。

個人消費は銀行貸し出しに依存して伸びただけに、そうなった場合の影響が大きいでしょう(低金利を背景に個人貸し出しはアジア金融危機前を上回る水準まで伸びています)。実際、その前準備なのか民間銀行の預金準備率の調整や、自動車/住宅ローンの借り手に関する規制の調整も行い始めています。

 

しかし、政府は企業の人員削減を回避するため、労働集約型産業に税制優遇措置を発表。労働集約型産業の企業は労務費の 125%を損金として計上できるとしています。その他では、国内生産活動を支えるため、エアコン、衛生製品など、もはや贅沢品ではなくなった品目の贅沢税を廃止や、教育支援書籍の付加価値税の廃止も発表しています。

 

ちぐはぐです。。。もう、投機大好き投機家に狙われやすい感じがプンプンしています。ということで、テーパリングへの懸念がマーケットのテーマから外れても、中期的にはインドネシア通貨の弱さは顕著な物になると考えています。

 

*日本にはどのような影響があるのか?

もしかしたら、インドネシア通貨が下落してインドネシア景気が低迷してもそんなに影響ないっしょと考えている方も多いかもしれません。

しかし、インドネシアは ASEAN 最大の経済規模を有することに加え、ASEAN 域内での貿易拡大が続いています。インドネシアを起点とする景気悪化は、他のASEAN 各国経済に悪循環をもたらすことも…日本の輸出先として大きな存在間を占めるASEAN諸国経済が失速すれば、日本にも影響は大きそうです。。

 

新興国通貨下落は意外に身近なところに影響が出やすいかもしれないことには留意しておきたいですね!!

 

今日も読んでいただきありがとうございます!

いつも応援ありがとうございます☆☆

 

崔真淑/さいますみ