”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

本当の金融緩和とは金利を引き下げることでも、お金の量を増やすことでもないって、ほんま!?

みなさまこんばんは!

Good News and Comapaniesの、さいますみです。めでたい御報告があります!!

10月からテレビ東京系列BSJAPANで、毎週金曜日朝6時40分〜NIKKEI朝とく内で、

人生初のTV冠コーナー「さいますみのエコノゼミ」がスタートしました!!!!

これも、みなさまの支えのおかげです。独立して2年半が経ちますが、今後も気を引き締めて精進していきますので、引き続き宜しくお願いします。今日は10月10日に放送されたエコノゼミの内容紹介です!タイトルはこちら↓↓

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(制作:日経映像)

*ほんまの金融緩和とはなにか?

と、本題に入る前に金融緩和の定義から!アベノミクスが始まり、金融緩和という言葉を聞く人は増えたでしょう。金融緩和と聞くと、どんなイメージがありますか?

日本のお金の番人=日本銀行金利を引き下げたり、お金の量を増やすことと思う人が多いとおもいます。が、それは微妙に不正解!!!(ごめんね〜汗)

本当の金融緩和とは、

「①その国の潜在的な経済(GDP)成長率>②その国のベースとなる金利

なのです。日本の年間の潜在的な経済成長率が1%とします。

これは、その国の企業等が平均的に生み出す利益(付加価値)が年率1%でしか成長しないことを意味します。そんな経済環境下で、銀行が年率2%でお金を貸しますよ!と言いいます。多くの企業が将来に年率1%の成長しか見通せないのに、わざわざ年率2%の金利でお金は借りないですよね。(しかも、今の国内大企業は現金を潤沢に持っています。)

 

私が言いたいのは、金利とは相対的な指標でしかないということです!!

金利が年率0.5%でも、多くの企業が年率0.1%しか成長できないと考えていては、年率0.5%という水準は高金利なのです。だからこそ、アベノミクス成長戦略で引き上げて、日本銀行によって引き下げるという、両方の政策が必要になるのです。

(ここでは、期待成長率、インフレ率、名目、実質等々をあえて省いてます。シンプルに金融緩和の定義を伝えるために、まずはそうしています。今の資本市場では、資産効果、GPIFの話もかなり重要ですが、あくまでここで伝えようとしているのは、定義です。その他、リクエストがあれば、適宜書かせて頂きますので、どうぞ宜しくお願いします) 

 

*今の金融緩和は金融環境を緩和しているのだろうか?

以下のグラフは金融環境指数といい、金融市場の安定度を示す指標です。プラスであればあるほど、金融環境が緩和状態=金融取引が活発(貸出や、株取引等)になっていることをしめします。日本は、日本銀行による金融緩和期待から、2013年から株高、円安が一気に緩和的な環境になっています。主要先進国内で突出しています。

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(制作:日経映像)

そして金融緩和の大きな目的の一つは、緩和的な金融環境をつくって銀行貸し出しを増やすこと。実際、足元の銀行貸出し残高は増えています。しかし、業種別貸出し動向を見ると、企業向けの大半は、非製造業によるスケジュール投資に対応しただけでは?と感じたり。その他では、住宅ローンの伸びも目立ちますが、消費増税の影響で、今後の伸びに暗雲が…。しかも、一部の論文やレポートでは、多くの投資家が金融緩和によってリスクが大幅に取りやすくなり、全ての資産が一気に買われたり、売られたりなど、異なる資産間で連動性が増したという副作用も聞こえてきます…
となると、金融緩和ありきでなく、安倍総理からの成長戦略によるの引き上げへの期待が高まりそうですね。
 
ここでは、番組のダイジェストをざっと書かせて頂いてます。番組内では金融緩和の現状を中心お話させて頂ましたが、ブログでは金融緩和の言葉の定義をメインにお話しています。)
 
今日も読んで頂き、ありがとうございます!
引き続き応援宜しくお願いします!
 
☆さいますみ☆