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”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

三中全会の注目点は!?一人っ子政策緩和は本当に効果があるの!?

みなさまこんにちは!

Good News and Companiesのさいますみ/崔真淑です!資本市場、なんだかリスクオンの動きになってきましたね。そしてアジア市場も活況になり始めています。アジア市場といえば、中国では三中全会がありましたね!

三中全会コミュ二ケに目新しい内容は無いようですが、一人っ子政策が緩和されるかもと国内資本市場でも話題になりました。今回は、三中全会の注目点と、一人っ子政策を巡る話を検証していきます!

 

*三中全会の中身は…

三中全会コミュニケは、これまでの基本路線の再確認した程度と言われています。しかし、「都市と農村の二元構造が、都市と農村の一体化した発展の阻害要因になっている…」と明記されています。現状の農村/都市戸籍という枠組みが改定される可能性がでてきました。現状の居住地を戸籍とし、都市と農村で統一した公共サービスを受けられ、移住も自由になれば何が起こるでしょうか?

 

現状の農村戸籍保有者は都市へ出稼ぎしたとしても、都市戸籍を持たないために、出稼ぎ先で必要な社会保障を受けられません。そして農地も自由に売買することができず、農村に縛り付けられています。安心して都市で働くことも、消費を増やすこともできないのです。ですが、上記のように戸籍改革が起こるとなれば、より高い所得を求めて農村の方々が都市へ流入するでしょう。都市への人口流入を加速して中国国内の内需が活性。結果、投資主導型経済から消費主導型経済への転換が図られるかもしれません。

 

更に農地を自由に売れるとなれば土地成金が増えて、内需には更にプラス化もしれませんよね。投資依存の経済成長をしてきた中国には、とても大きな転換点になるかもしれません。

 

一人っ子政策は緩和の方針へ

コミュニケでは、もう一つ注目されたことがあります。それは一人っ子政策の見直しです。夫婦のどちらかが一人っ子の場合、第2子の出産を認める方針等を打ち出しておいます。1979年に始まった一人っ子政策により、中国では急速に生産年齢人口減少しています。人口高齢化による社会保障制度の歪みや、持続的な経済発展のためにも生産年齢は増やしたいようです。


*しかし、本当に効果はあるのか?
しかし、実施したところで、効果はあるのでしょうか?

人口経済学者ライベンシュタインの考えを参考にすると、難しいのかなと感じます。彼は、子供を持つ効用(そこで得られる満足度)には3つあるとしています。①子供を育てる経緯から得られる喜び②労働力として子供が家計所得に貢献してくれる労働効用③両親が高齢になった時に面倒をみてくれる社会保障効用、を挙げました。ライベンシュタインは、これらの効用が不効用(経済的コスト)を上回り続けない限り、子供を作ろうとしないと説いています。

経済力を増している中国は②は消滅しているに近いでしょう。③に至っても、人口高齢化が加速している中国では低下しるでしょう。そうなると①ぐらいしか出産インセンティブは残らないわけです。


育児コストは養育費だけではありません。育児のために失われる労働の機会費用も経済成長国では高くつきます。つまり、経済的に豊かになればなるほど、子供を産もうとするインセンティブは低下するというのが彼の考えです。


*日本も実は、一人っ子政策をしようとしていた過去がある!?

実は、日本でも1974年に人口抑制策を打ち出した過去があるのです。同年の厚生省人口白書では、出生力抑制に努力すると記載されています。当時の日本人口会議でも、「出生力を抑制する努力をする」と宣言しています。

背景には73年オイルショックがあります。資源輸入が嵩み、日本経済への負担が大きくなったのです。そこに人口増も重なり、日本経済への先行きに危機感が積もったのでしょう。(実際、この当時は経常赤字に。ただ、経常収支をどういう方向でもっていくかは、時代によって本当にちがいます。赤字が×、黒字が〇という議論にはなりませんので注意を)


しかし、そんな努力せずとも、出生率は低下。経済先進国になり育児不効用が増したことで出生率が減少するという、ライベンシュタインの考えが当てはまりそうです。

<戦後産めよ増やせよ期→高度経済成長期→経済立国となり出生率低下期→経済低迷で出生率は停滞を続ける>

中国人口資源環境委員会代表は「解除をしたところで爆発的に人口はふえないだろう」とも発言しています。ということで、過去の日本の例を見ても、私は中国は爆発的に生産年齢人口は増えないと予想しています。

 

*じゃあどうしたら子供はふえるんだ!!!(参考)
フランスのように婚外子への保護する国では子育て環境が整い、出生率改善がみられる先進国もあります。しかし、儒教的な日本、中国、韓国のように「結婚してから出産」が当たり前の国々では、経済力が増して結婚へのハードルも、そして出産へのハードルが更に高まっていることが出生率低下の背景にあるかもしれませんね!

 

 

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さいますみ/崔真淑