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”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

なぜ、世論調査は外れることがあるの?を、エコノミスト線で考えてみた~米大統領選挙の事前調査からの反省!バイアスと有効性はトレードオフ~

<追記>

このブログは、隠れトランプがいたからでしょの一言で終われば、今後の調査、予測に活かされず終わってしまうとおもい書きました。

応用を利かすには、理論ベース思考が必須。今後に私自身も活かしていきたいです。

 

********本文⇩************

 みなさま、こんばんは。

 Good・News and Companiesの、マクロエコノミスト崔真淑(さいますみ)です。

 11月9日は歴史的瞬間になりました。SNS上コメントを見ると、アメリカ国内でも大統領選挙の結果について、意見が明確に分かれているのが印象的です。

 選挙直前までトランプ氏追い上げは報道されていたものの、クリントン氏勝利を考えている方が多かったと思います。でなければ、為替がこんなに乱高下しないですよね。あらゆる通貨の逃避先?のビットコインは、対円ですら上昇中。

 そして、改めて感じたのは、選挙などの事前調査と私達は付き合い方です。私は二つの基準を意識することが重要だと痛感しました。

 それは、バイアス」と「有効性」という2つの計量経済学の基準です。これが世論調査が外れるきっかけになる場合もあるし、把握しておかないと情報をミスリードする可能性があるのです。

 

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(写真はWIKIPEDIAより)

 

バイアスとは?

 バイアスとは、偏りがないこと。専門用語では、不偏性と言います。ある手法によって、何かしらの調査を行うとします。この時、何度も繰り返し同じ手法を繰り返し、そこから得られた結果が平均的に正しい答えならば「バイアスが無い」と言えます。

 例えば、明らかに保守勢力が多い地域からだけ取得した事前調査は、バイアスがかかっていますよね。その他には、特定の曜日だけの調査となると、その曜日には出てこないだろう層だけ漏れていたり…

 何を簡単な話をいってんねん!て思う方もいるかもしれません。いやいや、これはけっこう奥が深いのです。事前調査におけるバイアスには2種類あることを抑えるのが重要なのです!

 

*2種類のバイアスって、なんだ?

 それは「統計的バイアス」と「実質的バイアス」の2つです。なかでも、後者がネックになることが、肌感覚でも多いと感じます。前者は、まさに上述したお話し。

 後者は、構造的な話です。例えば、日曜日にしか選挙が行わない地域があるとします。でも、宗教上の理由から日曜日に大きな行動が出来ない人もいます。つまり選挙制度がもたらすバイアスなどが当てはまります。

 今回の世論調査では、米国のあらゆる報道機関が事前調査を発表していますが、この2つが複雑に重なったことが世論調査と、選挙結果の差にあるようにも思います。それぞれの報道機関が、いくらランダムに事前調査をしたといっても、国土が広く、様々な人種が存在するアメリカでがバイアスはかかりやすいと思うのです。

 保守に受けるメディアと、そうでないメディアでは、ネットや電話でランダムにアプローチするといっても、アプローチ可能層は変化するはず。極端な例ですが、ザ・株新聞と地方新聞では、アプローチ可能な層が違っても不思議ではないでしょうよ…。 

 その他には、一次情報は宝の山なんていいますが、情報提供者がバイアスを掛けている可能性もあります。(ちなみに、これを如実に表している論文では、これが有名みたいです)

 もちろん、アメリカの世論調査バイアスを加味するために複合的に見る必要がるとは聞きます。しかし、無数に報道機関があるわけではないので、ちょっとした異常値に総合的指標が引っ張られることもあるわけです。

 どこの報道機関が、どの地域に受けやすく、どの層に受けやく、どれぐらい販売数が変化しているか…これらを抑えて世論調査をくみ取らなくてはいけなかったと反省している私です。

 

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(レギュラー番組のテレビ東京「Mプラス11」では、驚き過ぎて噛んでしまいました…。怒っているわけではないです(汗)写真はTwitterでフォローしてくださってる、関西人NEOさんより)

 

*もう一つの有効性とは?

 有効性とは、調査結果から出てきた結果(ここでは推定量)の良し悪しを判定する基準です。調査結果の分散(ばらつき)が小さいと、良いと判定出来るかもしれません。

 上述したバイアスを減らすには、どうすべきでしょうか?それは、調査情報を可能な限り増やすことです。とにかく収集できるデータは、沢山集めて来いということです。そうすれば、分散が低下して良い調査と言えるでしょう。しかし、これは集めてくる調査情報が、全て同一の条件下で収集されていればの話です

 でも、そんなことは現実世界ではできないですよね。多くの調査結果を集めるほど、非常にバイアスがかかっている情報を取得して、結果が大きくゆがんでいるかもしれないのです。

 

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(国土が広く、人種が多様な米国では、その地域、層に受け入れやすい報道機関に歪みがある!?

 

 じゃあ、バイアスがほとんどかかっていない少数のデータだけを使えば良いのでしょうか?その場合、もしかしたら重要な情報が失われているかもしれず、有効性が失われるかもしれないのです。

 つまり、バイアスと有効性はトレードオフの関係にあることを抑えないといけないのです。各種報道機関の調査結果をとにかく集めることも重要ですが、偏った調査を行った報道機関がないのかを精査しないといけないわけです…

 

 今回は、調査結果を沢山集めるだけでなく、KEYとなるだろう州において、影響力の強いだろう、または調査リーチ可能な層が多いだろう調査機関はどこだったかを、事前にリサーチし、それから大統領選挙の結果予想を、自分なりに考えるべきだったと反省しています。

 バイアスと有効性はトレードオフということを、もう一度胆に銘じたいです。

もちろん、予想が出てきたがために結果を変えてしまうことや、他の理由もあると思いますが、一つの要因として今回はこの話を書きました。

 

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

いつも、応援ありがとうございます!

 

崔真淑/さいますみ