”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

研究進捗発表会を振り返る〜たった一行、一枚のスライドでオーディエンスの反応が変わる瞬間があるかも!?日々トライアンドエラーです〜

 みなさま、こんばんは。

 猛暑が続きすぎて脳みそも溶けかかっている、崔真淑(さいますみ)です。意思決定の鈍さと気候には何かしらの関係があるんじゃないかと日々感じる毎日を過ごしています。

 今回は、放送のお仕事と並行して活動させて頂いている研究活動での気づきを記していきます。最初に言うと、この気付きは研究者として仕事を成立させている方々からすると「何言っちゃってんの」な話だと思います。でも、初心忘れべからずと思い今後の反省にも活かしたいのと、皆さまのビジネスにも汎用が効く部分があると思い記していきます!

 

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(写真は文化放送さんでの一枚。仕事と研究活動の両立がメンタルと身体にけっこうくるなんて思ってなかった頃の自身w)

 

*最近の研究活動を振り返る

  自身は、4月から大学院の博士後期課程に進学しました。専門は、コーポレートファイナンス分野です。企業の資金調達やそれに関連するメカニズムを経済学の視点を活かして解明しようとしています。この活動を通して、様々な方々からポジティブとネガティブな言葉を頂きました。前者が圧倒的に多いのですが、後者に関しては、

 

「学者って現実理解してないやろ!つうか役に立たない研究のために金使うなよ。ほんま、現場の人間の声ありきで意思決定すべきだと思うし。」

 

という意見も頂きました。

 もちろん学術界でニーズのある研究と、現場でニーズのあるジャンルは必ずしも一致しません。しかし、すぐに役立つ話はすぐに役に立たなくなることが多々あります。いま役立つかどうかだけで研究を進めるのは危ういし、私達の未来にもよろしくないと思うのです。

 更には、「実は知らないうちに経済学者や様々な学術研究が私達の価値観や意思決定に影響を与えているんだよ!」という事実を知って欲しいなと、この言葉を耳にした時に感じました。

 例えば、株式市場の世界で出てくるβやCAPM等々は、経済学者の知見によって誕生した指標であり理論です。その他では、経済危機に陥ったり不況の時は、国が財政出動なり何かしないとアカン!という価値観が当然になったのも経済学者のジョン・メイナード・ケインズ氏が登場してからの価値観でしょう。昔は、赤字国債は異質だったようですし。また、このような様をケインズ氏はこのように例えています。

 

「知識の影響を受けていないと自認しているような現実的な人々も、過去の経済学者の奴隷であることが普通である。権力を握った狂人たちも、天の声を聞いていると自分では考えているが、何年も前のアカデミックな三文文土から彼らの狂気を蒸留しているのである。」

(出所)ケインズ氏の「雇用・利子および貨幣の一般理論」の一部を、マンキュー氏の「マンキュー入門経済学」(東洋経済新報社)で翻訳した物を一部抜粋

 

 これは、自分自身への戒めにもなる言葉です。やはり我以外皆師なり。様々なコメントに謙虚に耳を傾けてる自身でありたいです。

 とはいえ、非常に有難いことに自身の研究活動に肯定的な人が多く、日々を活動させて頂いてます。その肝心の研究活動ですが、、、

 

*インプット&アウトプットのトライエラーだ!

 もう毎日が、自分がどれだけレベルが至ってないのかや、周囲と比較して憂鬱になることが頻繁に起きたり。。というのも、自身は、論文を読むのがとても遅いです。

 研究者の先輩方から、「最初は自分の身になるように一本をじっくり読むのが良いから!」と励ましの言葉を頂いたものの、この最初がいつまで続くんだよーwってぐらい遅い自身でありますw。周りと比較せず、まずは自分のペースと思ってもやはり周りを意識します(笑)。とはいえ、そんな危機感を与えてくれる環境にいれるのは、レベルアップをするには幸せなことですよね。環境に感謝です。

 と、そんな感じで既存研究の論文サーベイ&仮設設定&データ回しての繰り返しなのですが、その進捗を発表する機会がありました。

 

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(研究進捗発表会を行ってきたキャンパス)

 

*たった一行、一枚のスライドで変わる瞬間

 その研究進捗発表会とは、大学院とは別に参加している、イノベーション研究所で行われました。実は、今日の発表はすごく憂鬱でした。というのも、前回の発表で、自身の研究テーマから一刀両断のフルボッコだったことや、自身の研究の進捗が遅いことから、

 

「あぁまたフルボッコやぁ。。。なんならフルボッコにする気すらしてもらえなかったらどうしよう。でも、全部自分が悪いからなぁ。。はぁ。。うぎゃーー。。」

 

と、いう気持ちでした。

しかし!前回の感じではなく、非常にありがたいご指摘を頂き、新しい課題が見つかり、新たな試行錯誤ができそうな感じの発表になったのです。

今回は、前回に強烈に指摘された箇所を意識して、いつもなら作らないテーマを説明したスライドを一枚入れて、加えてある一行を入れることを念頭に置きました。結果、自身の研究テーマの大筋や文脈は変化してないのに、テーマ丸ごとをガツンと一刀両断されることがなく、具体的なアドバイスも受けられたのです(涙)!

 

もちろん、今日の研究進捗発表会は長丁場だったので、先生方がお疲れで意見する気にもならなかったというだけの可能性はあるかもですがw とはいえ、一枚一行だけで、説得力が一気にますことがあるんだという感覚を得られたのは、非常に大きな収穫でした。

 

いつもいつも、心の弱い自身は、逃げたいなぁ、後回しにしたいなぁという弱音を吐きたくなることが多々あります。でも、逃げたらお終い。ゆっくりでも、ノロマの私でも、亀のごとく日々精進していくことで、新しい気づきに出会えるんだ!と知れた日でした。まずは論文一本書き上げるぞ!

 

いつも応援してくださる皆様に感謝です!

いつも本当にありがとうございます!

崔真淑(さいますみ)