私が思う、エコノミストの経済予想との”上手”な付き合いかた
みなさまこんばんは!Good News and Companiesの崔真淑/さいますみです。
昨日、10-12月期国内経済成長率(=GDP成長率)の速報値が発表されました。一年に馴らした経済成長率は2.2%でした。しかし、主要シンクタンクエコノミストの予想中央値は3%超えでした。
この結果と予想の「ズレ」から、エコノミスト経済予想ってなんなんだよー!という声を頂きました。今回は、なぜ予想が外れるのか?エコノミスト予想をどう活かせばよいのか?を、考えていきます!
(制作:日経映像 出所:BSJAPAN「NIKKEI朝とく 毎週金曜”さいますみのエコノゼミ”)
Q1そもそも経済成長率は、どのように発表されるのか?
経済成長率を算出するには、多種多様な統計データが使われます。構成される全ての統計データの開示を待つと、タイムリーに経済成長率が算出できません。しかし、経済政策を考えるためには、ザックリとした値でも経済成長率を早く算出する必要があります。そのために、速報値、確報値という形で経済成長率は、数回に分けて値が発表されます。
Q2なぜエコノミストの経済予想は外れることがあるのか?
そのような全ての統計データが開示されていない時点の速報値を予想するのは至難の業。また、民間シンクタンクが使える統計データも限られていることから、ダイレクトに速報値を当てるのは非常に難しいのです。もちろん統計データの癖を見抜いて的中率の高いエコノミストの方もいますが、長期で続けるのは非常に難しいと思います。お上の経済成長率の算出方法も、変更されますしね。
Q3そもそもエコノミストの経済予想に有意な能力差はあるのか??
そんな予想が難しい速報値を当て続けるエコノミストは存在するのでしょうか?
神戸大学の芦谷政浩教授の2006年の論文が、ヒントを示しています。
(こちらの論文の”はじめに”をご参照ください。その他、シンクタンクエコノミストと個人エコノミストと、それぞれの傾向にも書かれており、非常に興味深い論文です)