”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

「知識力」を「収穫逓減」させずに歳を重ねるために。誕生日の祝言に感謝です!

みなさま、こんばんは!
エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。実は1月17日は自身の誕生日でした。
沢山の方々からお祝いの言葉を頂きました!更には金曜レギュラーを務める文化放送「The News Masters TOKYO」の出演&クルー陣から粋な計らいが!表紙の写真はメインパーソナリティーのタケ小山さんから、「福ます(み)」を!クルー陣からケーキが!!こういうサプライズ泣いちゃうよ〜(涙) ほんまにほんまに感謝です。
今回は、皆様のおかげで生かされている身として、生産性高く歳を重ねるための心構えをまとめました。

 

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*30代の研究と仕事の両立活動から感じたこと

 

歳を重ねて日々感じるのは、健康のありがたみです。こうして息を吸えてご飯が食べられるってなんて尊いのだろうと。それを一番感じたのは、研究と仕事の両立を通してです。

 

2018年から博士後期課程に入学しました。正直、博士課程は修士と求められているレベルが全然ちゃう‥。修士号取得したてのイキってた自分を全力で叩きたい気持ちになりました(笑) 要求水準が違うだけに、研究と仕事の両立はもちろん、じっくり一人で考える時間も必須。更には、物事を考えて何かアウトプットをするには暇すぎても忙しすぎてもダメ。身体の状態と研究進捗が顕著に相関するのを肌で感じました。

 

でも、経済学という分野としっかり向き合いながら現実に起きている構造を、社会で活かせるだろう汎用性のあるモデルで説明しようとする研究活動は、めーーーっちゃ楽しいです。しんどくて嫌になることももちろんありますが。

 

様々なご縁や支えがなかったら、自身ごときは博士課程で研究活動に携われなかったと思います。支えてくれている皆様、仕事関係者、日々アドバイスを授けてくれる経済学者の知人、担当教官の鈴木先生に改めて感謝です。写真は、昨年に日経CNBC 崔真淑のサイ視点に出演してくださった鈴木先生と!(ちなみに‥昨年末に、鈴木先生エクイティファイナンスに関する学術書が、日経賞を受賞したのです!)

 

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*30代後半で更に知識力≒知識生産性を高めるために

 

と、こんな感じでいろんな方々のおかげで無事に誕生日を過ごせたわけです。しかし、甘ったれの自身は年齢を言い訳にアウトプットをサボることがあります。更には、新たな知識や出来事への関心が薄れた瞬間を放置することも。一言でいうと、「知識欲や、それに伴うアウトプットの低下への言い訳をすること」があるのです。これは、非常にあきまへん。

 

経済学には「収穫逓減」という法則があります。何かしらの資本や労働力、ここではインプットした知識をどんどん投入していくと、そこから得られる収穫量なり成果物が徐々に減っていく様を示しています。

 

研究活動も日々の仕事も、始めは楽しくてインプットしまくり、そこからのアウトプットを楽しめます。でも、徐々に最初の頃のような好奇心も薄れ、更には知った気になって新たな努力をしなくなったり。また、頭でっかちばかりになって、好奇心すらなくなることも‥

 

これは恐ろしいことです。じゃあ、どうしたら良いのか?歳を重ねても活躍し続ける研究者やアーティスト、セカンドキャリアも活躍している元プロスポーツ選手の方々をみていると、共通しているなと思うことがあります。


行なっていることが嫌になったら一旦休む。しかも、ただ休むでなく、自分が行ってきたことを活かしてあえて他のことをしてみる、のサイクルを繰り返している人が多い気がします。

 

自身は、研究活動、メディア、企業のアドバイザーと三足の草鞋を履いています。側からみると、一つに絞れ!と思う方も少なくないかも。でも、いろんなことを同時並行で行うと、好奇心や刺激を受けること、全然違うと考えていた事象の意外な共通点に気づけたり。パラレルだからこそのメリットもあると思うのです。

 

健康を第1にしつつ、好奇心を維持しつつ、収穫逓増を目指して飽き性な自身はパラレルな日々を楽しみつつ、精進します!

 

ここまで読んで頂きありがとうございます!
応援ありがとうございます!

崔真淑(さいますみ)

 

 

「VC」は「投資会社」より「インセンティブ設計会社」だと考えさえられた話について。

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みなさま、こんばんは!
エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。年始早々にヘビーな風邪をひいて、40時間爆睡した自身です。ついているのは、三連休に重なったこと。いろんな人に迷惑をかけず済みました。ホッ。おかげで無事に3日連続の研究発表会と、今年初の出張も無事に完了しました。これも皆様の支えのおかげです。
(左の写真はテレビ東京「昼サテライト」で自身がVCについて触れた時のものです。撮影はTwitterのフォロワー隣の関西人neoさん。ありがとうございます!右は文化放送での自身!)

今回はその研究会で発表した論文の一つを紹介していきます。その論文は、ざっくり言うと「ベンチャーキャピタル(VC)が、もしもに備えつつ、投資先起業家にやる気を出してもらうためのインセンティブ」を促す投資や契約方法を行なっているのかを、金融契約の視点で実証したものです。

 

 

*VCが、もしもに備えつつ、投資先起業家にやる気を出してもらうためのインセンティブを促すための投資や契約方法とは?

 

上述の工夫を促すためにVCがどんな投資や契約方法をしているかを、米国VCを対象に実証したのが、下記の論文です。

 

Steven N. Kaplan and Per Strömberg, 2009, Financial Contracting Theory Meets the Real World: An Empirical Analysis of Venture Capital Contracts, The Review of Economic Studies, Vol. 70, No. 2 (Apr., 2003), pp. 281-315

 

この論文が示したのは以下です。

「経済学の視点で金融契約につい様々な理論研究がされている。しかし、それらの研究は本当に現実の世界でも同様の傾向が見られるか? これを米VCデータを用いて実証し、先行研究に貢献しよう!」

というものです。
この論文では、VCと起業家の間では、お互いのインセンティブを最大限引き出すための工夫が契約に組み込まれており、概ね理論研究と整合的という結果になっています。

 

 

*具体的にVCは、どんな工夫をしているの?

 

論文が示した、VCのインセンティブ設計ポイントは下記です。VCは、単にエイっ!と投資をしているのではなく、以下の4つのポイントを抑えているようです。

 

①起業家にやる気をだしてもらうために、キャッシュフロー権(報酬や儲かった時の分け前)比率を起業家が過去に上場させてことがあるかや、投資先企業の業績状況を加味してコントロールする。

学術的視点:Holmstrom(1979), Lazear(1986)
プリンシパルエージェント問題と整合的。その起業家の能力が実績が未知数であるほど情報の非対称性が高く、起業家の報酬・取り分も業績結果等に連動しやすい。一方で、過去にIPOの実績がある起業家など能力の評価がしやすい場合は、業績が悪くても報酬・取り分が業績と相対的に連動しにくい。

 

②投資先企業が状況が冴えない場合は、VCは取締役数、議決権、清算権等のコントロール権比率を高める

学術視点:Grossman and Hart(1986), Dewartripont and Tirol (1994)の不完備契約の理論研究と整合的。コントロール権は契約に盛り込めないような状況に備えるものであり、これらの権利を投資先企業の財務指標だけでなく非財務指標を用いて、VCは比率を変えている。

 

③競合避止義務と、起業家の株売却期間の制限は、サンプル内VCの全てが契約に盛り込んでいた。
学術視点:Hart and Moor(1994)が指摘しているホールドアップ問題の緩和方法と整合的。

 

④ これらの権利は、本論文が示す様々な出資証券スタイルがあることで、①〜②の仕組みが支えられている。下記は、紹介論文の2000年末時点の米国VCの出資証券スタイルのサマリーです。

 

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出所 Kaplan and Strömberg, 2009,

 

見てわかるとおり、「Convertible」という言葉が多い!! これは転換〇〇証券という形の証券が多いことを示しています。つまり、業績や未来の兆しの度合いによって、VCが普通株に転換してコントロール権比率を高めたり、投資先企業が冴えないままで終わる時に清算権の比率を高めることを意味しています。
一方、「Common Stock」の比率が少ないこと!普通株で起業家に投資をするのは、ほぼありえないようです。

 

キャッシュフロー権(儲かった時の取り分)は、サンプル内ほぼ全てで、VC50%、起業家30%、その他利害関係者20%の比率である。

 

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出所 Kaplan and Strömberg, 2009,

 

これは、このスタイルが多くのVCにも起業家にも望ましい形態であり、起業家は過半数を握るのを諦めているとも見て取れます。

 

 

*VCは、単に投資をしているだけでなく、インセンティブ設計にも配慮している!?

 

上記にVCは、どんなインセンティブ設計をしながら起業家と権利配分をしているのかの論文紹介を行いました。
よく一部の報道では、投資家は起業家の目をみて投資をする、起業家の信念、ビジネスモデルの将来性‥を見て投資をする等々の話が出てきます。
でも、そういうった定性的なことだけでなく、ちゃーんと投資家はアップサイドリスクにもダウンサイドリスクにも対応しながら、でも起業家のやる気を遮らないためのインセンティブ設計を証券発行の仕組みを駆使して行っていたんですね。まさに投資会社というより、イケてるVCほど、イケてるインセンティブ設計に長けているのかもしれません。

これは、米国VCの実証研究でしたが、日本はどうなのでしょう?これはまたいつかの話に。

 

 

ここまで読んで頂きありがとうございます!
応援ありがとうございます!
崔真淑(さいますみ)

 

 

 

あらゆる「選挙」に「合理的無関心」は起きている!?〜首都大学東京講演を振り返り〜

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みなさま、こんばんは。
エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。一足先に七草粥でまだ新年モードの自身です。

 

そんな新年に入り、よく耳にするニュースが「選挙」の話です。今年は、春は統一地方選、夏には参院選と選挙が多く、各党の話が話題になりつつあるようです。実は、自身の学術研究は「選挙」のメカニズムが深く関わっています。自身が研究対象にしているのは「選挙」といっても株主議決権を巡る投票です。しかし、「選挙」の対象が政治でないにしても、共通点はいくつかあるようなんです!

 

それは、「なぜ株主に積極的に議決権投票をさせるのは難しいのか?」と、「なぜ私達は積極的に政治投票を行うことが少ないのか?」です。

 

今回は、その株主議決権行使の「選挙」に関する研究をベースに、多くの「選挙」に共通して起こりかねない話を記していきます。昨年末に、首都大学東京でも関連テーマについて講演をさせて頂いたので、そこでの話も盛り込んでいきます。ちなみに、写真は講演に来てくださった先生や先輩達と、そして紹介サイトのです。

(注意:もちろん積極的に政治に関心を持ち投票率の高い地域は存在します。ここでは平均的に投票率が低下傾向が多く見られることや報道から上記の表現をしています。)

 

 

*株主議決権行使での「選挙」の課題

首都大では、なぜ社外取締役という経営者が不祥事を起こさないように見張るためのポストができたのかについてお話ししました。
本来は、当該企業の保有者である株主が、当該企業の経営者に対して、議決権行使を適正に行えばいいのです。経営者が企業価値を損なわせるような経営をしようものなら、議決権行使という経営者への「選挙」で、経営者を再任させなければいいのです。でも、それがなかなか出来ないんです。なぜでしょう?

上場企業のように株主が多数存在して、株主所有権が分散し、更には自由に株を売却できる企業だと起こりがちな課題が影響しているのです。それは、

 

「合理的無関心」というものです。

 

例えば、当該企業の株主が必死に企業のことを調べて議決権を投票していても、株主が多数いることから支配権も経営者退陣権も握れないとします。となると、時間コストをかけて投票したわりには、株主へのリターンは小さいわけです。となると、コスト以上のリターンがないなら、もう投票しないか、誰かの真似(経済学ではフリーライド問題という)をして投票しようという行為が起きうるのです。見返りが見えにくいからこそ、合理的に無関心になろうということなんです。

 

実は、株式を何割も保有している機関投資家も合理的無関心が起きかねないのです。なぜ、そうなってしまうかは、詳しくは下記の自身の記事を。参照研究も掲載しています。
https://newspicks.com/news/3404683

 

しかし、株主の合理的無関心から起きかねない課題を放置していては、不祥事を起こしかねない経営者がはびこってしまいかねません。だからこそ、社外取締役の議論が起きたんですね。(もちろんこれも課題山積なので、これは別の機会に)

 

 

*議決権行使選挙と政治選挙の共通点

 

上記の話は、実は議決権行使だけでなく、政治経済学の文献を見ると、政治選挙でも同様の課題が指摘されていました。自分の生活や仕事、プライベートを削って必死に情報収集をして投票に行くが、そこから得られるリターンは短期的には感じられにくく、二の足を踏んでしまうことが‥。

そして、この「合理的無関心」、仕事先やいろんなところで起きていると思います。情報収集ほどのリターンが見込めないから、空気よんで真似して人を選ぼうーなんてこともあったりなかったり。

何かの意思決定を多数決で行う場合は、こうしたことが起きることを踏まえて行いたいものですね。自身も気をつけたいところです。

読んでくださり、ありがとうございます!
応援ありがとうございます!
崔真淑(さいますみ)

 


ー告知ー
お世話になった首都大が社会人大学院生の志願を待っています!ファイナンスや、上記のような企業不祥事等々、コーポレートガバナンスにご興味ある方はぜひ!
首都大学東京大学院経営学研究科ファイナンスプログラムの入学試験出願期間が明日1月7日から11日までです。
https://www.biz.tmu.ac.jp

#COMEMO #政治 #選挙 #経済学 #ビジネス #投票
#合理的 #首都大 #コーポレートガバナンス

 

2019年の抱負は「しない事」も念頭。「資源」は「有限」だから

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皆さま、こんばんは!
エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。
正月三が日も過ぎようとしています。自身は明日から仕事始めです。文化放送「The News Masters TOKYO」朝7:00〜から宜しくお願い致します!今回は、そんな仕事前に2018年に立てた目標は達成できたのかを確認しつつ、2019年の抱負を記していきます!

 

*2018年の目標は‥
・論文一本書き上げる→仮説設定もデータ設定もできつつあるので2018年度までには(涙) 三月までに日本語と英語で一本書き上げる!担当教官の鈴木先生、母校の先生方、時間捻出に理解を示してくれる仕事関係者、両親、プライベートでの関係者さま、ほんまに感謝です。評価:とはいえ、死ぬ気で(いや、本当に死ぬかと思った‥)日々の論文サーベイのお作法、仕事との両立を模索できたので60点。

 

・本を一冊出す→昨年末にほぼベースは出来上がったので、2019年3月末頃には一冊目が出版予定です(汗) こちらも2018年度末までに(涙) 編集者さん諸々お世話になっている方々に、ほんまに感謝です。
評価:なんとか形になりつつあるので、60点。

 


・健康的な身体になる→アプリで毎日の食生活を管理しました。栄養や身体ケアも徹底的に。しかし、健康を害するほどに仕事詰め込みすぎたのが反省‥睡眠時間を削らないで仕事と学業の両立を2019年は心がけたいです。ご配慮してくださった皆様、ほんまに感謝です。
評価:日々の記録で身体を振り返ることはできたけど、若いと勘違いして無理したので、20点

 

・オンライン英会話始める→やってなかった‥ということでお世話になっている経営者さまに紹介して頂いた先生と、昨日から交渉を始めて無事に一月から始めることに!ご縁に、ほんまに感謝です。
評価:とはいえ、英語論文に齧り付きの日々だったので、英語は読んでってことで、20点(会話ちゃうやんか!甘い評価や!との声も聞こえてきますが、厳しすぎると続かないし自己否定になりかねないのでここは甘い評価を(汗))

 

と、いうのが自身の2018年です。そして2019年は‥

 

・「運動」と「睡眠」は仕事であるを徹底する→とにかく健康!昨年は忙しいというのを理由に週一ペースの運動しかできてなかった自身です。週二回の運動と、脳を休める時間を捻出する。またそれに支障をきたすスケジュールは、入れない!

 

・二本目の論文アイデア作りを4月から開始する→インプットなくして自身の存在価値も社会貢献もありえない。日々をこうしてブログ等で省みつつ、論文アイデア作りを徹底する。意外と脳の体力を使うので、それに影響するペースの仕事や人付き合いをいれすぎない!

 

・博士課程の資格試験に合格する→自身が通う博士後期課程は試験に合格しないと論文書いても博士号とれません。計画的に3月末までに概要と取り組むべき研究サーベイの全体図を作ります。

 

・二冊目の本アイデア開始!?となるよう、一冊目を大事に作り上げ周知できるよう努力する→今年は、「文字」のお仕事に力を入れる月が多そうな予感であり、そうしていきたいので頑張ります!なので、こうして日々を文字で振り返る余裕もないほどにスケジュールをいれすぎない

 

・身体は確実に痛んでいるのを自覚する→ほんまこれ。勘違いせず身体ケアはする。歳を重ねるほどに外見にも服装にも気をつけるべきなのに、昨年はそんな余裕もないぐらいでした。それを反省して、自分の身体と心を見つめていきます。来年は元旦から大量鼻血を出さないようにするぞ!

 

*資源は有限だから経済学があると言っているくせに‥

と、今年の抱負は「無理しない」「やらない」を意識しながら挙げてみました。というのも、自身は番組や講演等々で、

「私が行なっている研究は経済学の理論を活かして行っています。経済学研究の多くでは、その判断基準を資源をいかに効率的に配分するか、また有限な資源をどう配分すれば経済全体のパイを最大限にできるかに念頭に置いていることが‥」

と、全ての資源は有限だから人は悩むし課題も生まれることを再三話をしているくせに、自身個人の資源の有限度合いを全然考慮してなかったのです。。深く反省です。
今年は、自身個人の健康と脳スペックの有限性を意識し、経済学の知見と自身の研究課程を活かしつつ、社会に皆様に貢献できるよう精進します!

今年も何卒よろしくお願い致します!
応援ありがとうございます!
崔真淑(さいますみ)

 

「AI株価予想」と「AI競馬予想」を経済学の視点で比較したら「一般均衡」と「部分均衡」の違いに似ていると思った話

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皆さま、こんにちは!
エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。
元旦早々に、25年ぶりの鼻血が出た自身です。波乱の幕開けかとドキドキです。

今回は尊敬する経済学者の方々も参入しつつあるAI業界について。 2019年は、期待先行型の第三次AIブームは落ち着くとの研究者の声を多数ききます。当然のように使われ初めて、AIの課題に冷静に向き合う年になるのかも。

 


*AI株価運用や予想について

自身の周りで一番身近なAIと言えば株価予想です。経済番組のアンカーやコメンテーターとして日々の株式市場に言及することが多いからです。そして、その運用実績や予想的中率にも課題山積だよね〜というのは金融業界から多数聞きます。最悪の場合、日経平均TOPIXなどのインデックス以下の場合もあるとか‥運用ついては例えば、この日経記事とかも参考に。

 

AIも手を焼く日本株 経験則通じず成績低迷:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34790190Q8A830C1EN1000/

 

株価は理論的には、当該上場企業の一株あたり将来キャッシュフローの現在価値と定義されています。でも実際には、かなりの数の変数が影響し合っていいます。更には、株価に影響しうる変数も常に変化します。あー将来予想って難しいんだなー株価だけじゃなく全てのジャンルでそうなんだなーと感じていたのです。そしたら、なんだこのAI将来予想はーー!と驚いた物に出会ったのです。それはAI競馬予想です!

 

*驚異のAI競馬予想

再放送決定! NHK「ノーナレ」吉冨隆安vs競馬AIの馬券対決:netkeiba.com
https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=149230

 

URLは先日のNHKで放送された、AI競馬予想とプロ競馬予想士の吉富隆安氏のバトルについての記事です。興味深かったのは番組では、AI競馬予想が的中率80%を超えているという‥ただし、AI競馬予想は回収率は100%を下回っており、回収率で130%を超えていた吉富氏が優っていました。オッズ低めの手堅いところにAI競馬予想は強いのかも!? 下記の新聞をみても、競馬界隈ではAI競馬予想が影響力を増しているのを感じます。

 

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自身は競馬はど素人ですが、競馬の勝敗に影響する変数といえば、競走馬の血統、体調、ダートor芝、騎手の質、体調、当該競走馬と他競走馬の相性‥変数は無数にあると思います。しかし、なぜ AI競馬予想はこんなにすごいの!

 

*違いは予想が現実に影響するかしないか?!
上記のAI株価予想とAI競馬予想の的中率の違いについては、最初に自身が思いついた仮説は、

 

「将来予想の精度は、予想が現実に影響を与えるかの有無に、影響を受ける」

 

というものです(もちろん株価はべき分布で予想が難しくてとかいう意見もありますが、あくまで経済学の視点でどんな要素が影響しうるかを思案しているだけなのでご了承ください)。この仮説を、尊敬する経済学者の方に話をしたところ‥

 

「あーなるほどね。部分均衡か一般均衡かってことなのかな」

 

との返答が。部分均衡と一般均衡の違いは経済学の本で確認して頂けたらと思うのですが‥ つまり、株価予想というサービスを出した瞬間に、いろんな人が真似をしたり意識することで株価需給に影響しかねず、高い的中率を出せても、同じモデルのAI株価予想では的中率は長続きしにくいのかなと。また、そういう背景があるかたこそ、株価予想に効く変数はどんどん変化していのでしょう。

一方で、AI競馬予想が予想を出したからといって、競走馬も騎手の行動に影響はしないでしょう。また株価のように、予想に急に効かなくなる変数というのも少ないのかもしれません。

 

*AI株価予想とAI競馬予想から考えるAI予想
上記の話を一般化できるならば‥たぶんAI予想が強いのは予想が現実に影響を及ぼさないような物なんでしょう。例えば、AIによる病理診断とか。AIがこの病気です!といって、急にその病気になることはほぼ無いでしょうし。

またAI競馬予想も、その高い的中率を維持すると、みんなが同じ予想で馬券を買いに行き、手堅いレースのオッズがどんどん低くなっていき、寺銭を差し引いた元金を取り返すのは難しいことが起きる可能性も。

まあAIで株や賭け事で勝ち続けるというより、人間をサポートするAIサービスを展開するのも悪くない戦いかもしれませんね。

応援いつもありがとうございます!読んで頂きありがとうございます!
崔真淑(さいますみ)

 

*写真は自身で撮影した大好きな漫画の表紙と、競馬予想の新聞です。自身が写っている写真は番組出演時のものです

 

 

 

2018年登壇イベントを振り返る!働き方改革を巡り「効率」と「公平」の狭間で考える一年でした

 みなさま、こんばんは!

 エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。

 2018年も、もうすぐ終わろうとしています。皆様の支えのおかげで、今年も無事に過ごせました。今年の自身の漢字は「機」です。というのも、今年は様々な貴重な番組出演の「機会」やイベントの「機会」、更にはいろんなご縁から自身が至らないところを多々考えさせられる「機会」に恵まれた年だったからです。このように日々精進させて頂けるのも、皆様のおかげです。

 そして、今年の振り返りとして、特に今年は多くのイベントの「機会」に恵まれたこともあり、そこからの学びを記していきます。

 

*「働き方改革」に関係するイベント盛り沢山でした!

 イベント・番組出演・雑誌への寄稿と様々な機会から、沢山の学びを頂きました。下記の写真は、そうした機会の一部を合体写真にしたものです。

 特に、イベントに関しては「働き方改革」に関連する事が多かったです!また出演番組でも、働き方を巡るニュースや、経済情報を多数取り挙げさせて頂いた年でもありました。

 

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 年始で特に印象に残ったのは、経団連紙の一面にもして頂いた「プレミアムフライデー」イベントです。プレ金という言葉を使う云々以上に、企業を含めた多くの方々が早帰りや、どう余暇を充実するかを改めて考える機会になったのではないでしょうか。写真は、登壇企業の皆様と。

 

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 年中旬で特に印象的だったのは、経済投資イベントです。著名人の方々がいらっしゃるイベントに登壇させて頂いただけでなく、日経新聞の広告欄に自身の写真も掲載して頂けたのは、やはり嬉しかったです。イベントでは、先が見えない中で自分が働くだけでなく、お金に働いてもらうにはどうしたらいいかの関心度が高まっているのを感じました。勤め先ありきの生き方でなく、もっといろんな過ごし方をしたい!という声を沢山聞きました。これも働き方改革の影響が大きいと思われます。

 

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そして年末、いや今年一番印象に残ったのは‥ 天皇皇后両陛下が御臨席された「社会保険労務士制度創設50周年式典」という非常におめでたいイベントに登壇者の一人として参加できたことです。(同じ室内の空気を吸えただけでも感無量です(涙))

 社労士という資格は日本独自の制度であり、新興国を中心に社会保険整備のためにその制度知識が輸出されているとのこと。「働き方改革」が進む中で、社労士への相談や役割も広がりつつある中で、登壇者の一人として経済学分野の研究を参考に提言をさせて頂きました。

 

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*全てのイベントを通して感じた課題

 ここで紹介しきれなかったイベントを含めて、本当に貴重なイベントに恵まれた一年でした。しかし、全てを通して感じた課題は「公平」と「効率」の狭間でどう提言や発言をすべきかということです。

 経済学という学問を軸にコーポレートガバナンスを研究している自身は、出演番組やイベントで経済学研究の紹介や経済学の理論を引用しつつお話する事が多々あります。

 自身如きがこんなことを書くのも恐縮なのですが‥自身がサーベイしてきた経済学分野の論文や教科書は多くの場合、「公平性」という判断基準は重要としつつも、あくまで「効率性」に重きを置おて効率的に資源(人、時間、全ての資源)を配分するかに重きにおいていると思います。

 なので、自身がまず考える基準や判断軸は「効率性」をまず最初に思い浮かべます。しかし、そればかりはじゃいけないし、そのために多様な学問領域の発展が必要なんだと痛感することが多々ありました。

  例えば、仮に「働き方改革」が進むことは、その制度を自由に謳歌できる人が多く日本全体で経済成長が必ず起きるとしましょう。しかし、それを活用するための合理的な判断力や予見能力は全ての人が等しくありません。また、自分にとっては使える情報があったとしても、全ての人がそれを活用できるわけでも、同じように意思決定ができるわけでも行動がとれるわけでもありません。

  全ての人が等しく有益な情報を取得できて行動できるとい前提を置いてしまうと、自己責任論が過剰にフォーカスされかねません。いろんな変化が起きるのは良いことだけど、自身も含めてその変化に追いつけなかった場合には所得分配や公平性の議論が更に必要になるなぁと感じるのです。一方で、公平性ばかりに目が行きすぎて、マクロな経済成長を全て捨てるというのも違うとは思います。「公平性」と「効率性」の狭間で揺れつつも、来年も自身だからこその考えや学術研究を深掘りしていきたいです!

 

 自身がこうして生かされて、ゴハンを食べていけるのも皆様のおかげです。いつも、本当にありがとうございます。皆様に社会に恩返しがでるよう更に精進して参ります。

 

引き続き何卒応援よろしくお願い致します!

皆様にとって更に幸ある2019年になりますように!

 

崔真淑(さいますみ)

 

 

 

 

研究進捗発表会を振り返る〜たった一行、一枚のスライドでオーディエンスの反応が変わる瞬間があるかも!?日々トライアンドエラーです〜

 みなさま、こんばんは。

 猛暑が続きすぎて脳みそも溶けかかっている、崔真淑(さいますみ)です。意思決定の鈍さと気候には何かしらの関係があるんじゃないかと日々感じる毎日を過ごしています。

 今回は、放送のお仕事と並行して活動させて頂いている研究活動での気づきを記していきます。最初に言うと、この気付きは研究者として仕事を成立させている方々からすると「何言っちゃってんの」な話だと思います。でも、初心忘れべからずと思い今後の反省にも活かしたいのと、皆さまのビジネスにも汎用が効く部分があると思い記していきます!

 

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(写真は文化放送さんでの一枚。仕事と研究活動の両立がメンタルと身体にけっこうくるなんて思ってなかった頃の自身w)

 

*最近の研究活動を振り返る

  自身は、4月から大学院の博士後期課程に進学しました。専門は、コーポレートファイナンス分野です。企業の資金調達やそれに関連するメカニズムを経済学の視点を活かして解明しようとしています。この活動を通して、様々な方々からポジティブとネガティブな言葉を頂きました。前者が圧倒的に多いのですが、後者に関しては、

 

「学者って現実理解してないやろ!つうか役に立たない研究のために金使うなよ。ほんま、現場の人間の声ありきで意思決定すべきだと思うし。」

 

という意見も頂きました。

 もちろん学術界でニーズのある研究と、現場でニーズのあるジャンルは必ずしも一致しません。しかし、すぐに役立つ話はすぐに役に立たなくなることが多々あります。いま役立つかどうかだけで研究を進めるのは危ういし、私達の未来にもよろしくないと思うのです。

 更には、「実は知らないうちに経済学者や様々な学術研究が私達の価値観や意思決定に影響を与えているんだよ!」という事実を知って欲しいなと、この言葉を耳にした時に感じました。

 例えば、株式市場の世界で出てくるβやCAPM等々は、経済学者の知見によって誕生した指標であり理論です。その他では、経済危機に陥ったり不況の時は、国が財政出動なり何かしないとアカン!という価値観が当然になったのも経済学者のジョン・メイナード・ケインズ氏が登場してからの価値観でしょう。昔は、赤字国債は異質だったようですし。また、このような様をケインズ氏はこのように例えています。

 

「知識の影響を受けていないと自認しているような現実的な人々も、過去の経済学者の奴隷であることが普通である。権力を握った狂人たちも、天の声を聞いていると自分では考えているが、何年も前のアカデミックな三文文土から彼らの狂気を蒸留しているのである。」

(出所)ケインズ氏の「雇用・利子および貨幣の一般理論」の一部を、マンキュー氏の「マンキュー入門経済学」(東洋経済新報社)で翻訳した物を一部抜粋

 

 これは、自分自身への戒めにもなる言葉です。やはり我以外皆師なり。様々なコメントに謙虚に耳を傾けてる自身でありたいです。

 とはいえ、非常に有難いことに自身の研究活動に肯定的な人が多く、日々を活動させて頂いてます。その肝心の研究活動ですが、、、

 

*インプット&アウトプットのトライエラーだ!

 もう毎日が、自分がどれだけレベルが至ってないのかや、周囲と比較して憂鬱になることが頻繁に起きたり。。というのも、自身は、論文を読むのがとても遅いです。

 研究者の先輩方から、「最初は自分の身になるように一本をじっくり読むのが良いから!」と励ましの言葉を頂いたものの、この最初がいつまで続くんだよーwってぐらい遅い自身でありますw。周りと比較せず、まずは自分のペースと思ってもやはり周りを意識します(笑)。とはいえ、そんな危機感を与えてくれる環境にいれるのは、レベルアップをするには幸せなことですよね。環境に感謝です。

 と、そんな感じで既存研究の論文サーベイ&仮設設定&データ回しての繰り返しなのですが、その進捗を発表する機会がありました。

 

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(研究進捗発表会を行ってきたキャンパス)

 

*たった一行、一枚のスライドで変わる瞬間

 その研究進捗発表会とは、大学院とは別に参加している、イノベーション研究所で行われました。実は、今日の発表はすごく憂鬱でした。というのも、前回の発表で、自身の研究テーマから一刀両断のフルボッコだったことや、自身の研究の進捗が遅いことから、

 

「あぁまたフルボッコやぁ。。。なんならフルボッコにする気すらしてもらえなかったらどうしよう。でも、全部自分が悪いからなぁ。。はぁ。。うぎゃーー。。」

 

と、いう気持ちでした。

しかし!前回の感じではなく、非常にありがたいご指摘を頂き、新しい課題が見つかり、新たな試行錯誤ができそうな感じの発表になったのです。

今回は、前回に強烈に指摘された箇所を意識して、いつもなら作らないテーマを説明したスライドを一枚入れて、加えてある一行を入れることを念頭に置きました。結果、自身の研究テーマの大筋や文脈は変化してないのに、テーマ丸ごとをガツンと一刀両断されることがなく、具体的なアドバイスも受けられたのです(涙)!

 

もちろん、今日の研究進捗発表会は長丁場だったので、先生方がお疲れで意見する気にもならなかったというだけの可能性はあるかもですがw とはいえ、一枚一行だけで、説得力が一気にますことがあるんだという感覚を得られたのは、非常に大きな収穫でした。

 

いつもいつも、心の弱い自身は、逃げたいなぁ、後回しにしたいなぁという弱音を吐きたくなることが多々あります。でも、逃げたらお終い。ゆっくりでも、ノロマの私でも、亀のごとく日々精進していくことで、新しい気づきに出会えるんだ!と知れた日でした。まずは論文一本書き上げるぞ!

 

いつも応援してくださる皆様に感謝です!

いつも本当にありがとうございます!

崔真淑(さいますみ)