国内3000kmの移動で見えてきた地方経済のイマ!なぜ、無形資産への投資が大切なのか?
みなさまこんばんは!
Good News and Companiesの、マクロエコノミストの崔真淑/さいますみです!
この1ヶ月、講演の仕事で様々な地域への出張しました。地方経済活性化のヒントを、総括としてまとめます。(新潟県編はこちら。青森県編はこちらへ)
今回のお話は、月曜レギュラーを担当しているBSJAPAN「日経モーニングプラス」のコーナー『さいますみのマーケットラボ』の話も交えて書いています!
Q.1そもそもどこ、どこに出張に行ったの?
東京から大阪、新潟、青森へと約3000kmを移動しました。各地で地方経済のリアルを、伺うことが多数ありました。非常によく聞いたのは「円安つらいよ~」という声でした。地方は都心に比べて、地元に根付くスーパー・飲食業等のサービス業比率が高い傾向にあるようです。今、仕入れ価格が、円安で値上がりしつつあります。もちろん、販売価格に価格転嫁できれば問題はありません。しかし都心と比べて賃金格差が大きく、円安コストUP分を、直ぐに価格転嫁できないことが課題です。
(制作:BSJAPAN、日経映像)
Q.2なぜ、賃金格差が大きいの?
賃金水準を規定しうる労働生産性の改善が、地方で起きていないのです。労働生産性は、①資本・設備の質、②労働の質、③技術革新度(TFP)の3つで決まります(もちろん、この3つだけに分解することの短所もあります。話がそれるので、ここではふれません)。成熟した日本では、①の質は非常に高く、今起きている設備投資需要も更新需要がほとんどのようです。②に関しては、高齢化していく中で数は減っても質を高める可能性は十分にあります。となると③が気になりますが…
下記のグラフは労働生産性上位10と下位10を県別に並べたのです。。労働生産性を決める①②③の要素を色で区分けしています。都市圏に比べて、地方は技術革新度(TFP)の停滞傾向にあります。これが原因で労働生産性を下げ、賃金格差を埋められない背景にあるようです。では、こうした地域で技術革新度を高めるためにはどうしたらよいのでしょうか?
(制作:BSJAPAN、日経映像)
(出所:(RIETIディスカッション・ペーパー 13-J-037) データは2009年時点)
Q.3技術革新度を高めるためには、どうしたらよいの?
こうした地域の企業で技術革新度を高める投資が少ないことが影響しています。技術革新度を高めるには、無形資産投資の拡大が必要です。企業の技術革新度を高めるイノベーション活動に必要な支出は無形資産として蓄積され、付加価値をうみだす生産能力となって現れます。
実は、OECDデータ、内閣府レポートや、各種論文等で、無形資産と企業の生産性には密接な関係が示されています。例えば、以下のような結果が示されています。
(制作:BSJAPAN、日経映像)
いつも、応援ありがとうございます!
引き続き、よろしくお願いします!
崔真淑/さいますみ
(制作:BSJAPAN、日経映像 BSJAPAN「日経モーニングプラス」は平日6:38~放送中!)