NHK「経済フロントライン」出演を振り返る。東芝は半導体事業売却以外に奥義はないかをファイナンスの視点で考えてみた!
みなさま、こんばんは。
エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。昨晩は、NHK BS1「経済フロントライン」出演の機会を頂きました。機会を頂けたことはもちろん、ご視聴してくださった方々、応援してくださった方々に感謝です。
(野口さん、八木ちゃんと。久々の八木ちゃんと再会にテンション高めの私w)
*番組の内容…
番組では人材不足が目立つ外食産業での取組、店舗型小売店だからこその施策、元俳優の型破り経営者の組織論…と、ひじょーーに興味深い内容ばかり。中でも、ホットイシューの東芝問題については、担当記者の方の解説はもちろん、パネルのわかりやすさに感動しておりました。NHKさんのチームワーク力すごい…
(写真はテレビ画面を撮ったものです。綱引きにするところが流石すぎる…)
*なぜ、上記パネル感動なのか?職業病かも…
というのも、仕事でいくつかレギュラー番組を担当させて頂いてますが、テロップ、フリップ、画面に出す素材、構成…等々を出役である私も、ディレクターと相談することが多いです。まあ、ほぼ毎日(汗)
数秒で見ている方々に内容を伝えるには、起きている問題の構造を一発で伝える絵が必要になります。
(東芝の今後を解説してくださった小坂さん)
*東芝問題の構造とは?
東芝問題の構造を、写真のような綱引きに例えるとは脱帽でした…。そしてこの綱引きの日米韓側に米アップルも参加する可能性が出てきて、事態は更に混迷しそうです。
東芝は、日米韓チーム、ウエスタンデジタル(以下WD)チーム、ホンハイチームの3つとの交渉が、まだまだ続くでしょう。WDの訴訟リスクを考えると、ベースはWDチームとの詰めになると思います…
しかし、8月中に収まらなかったものが、9月に収まるのでしょうか?
2期連続債務超過を回避し、上場を維持するためにも、半導体事業を売りたい東芝。しかし、来年3月までに売却が成立してお金が振込まれるのには時間切れとの声も出てきました…。
さて、東芝に最終奥義となりうる秘策は残っていないのでしょうか?
*ファイナンスの視点で考える、最終奥義!?
ここまで東芝経営陣が意思決定の決着をつけられないのは、善管注意義務による株主利益への配慮もあるでしょう。
WDに半導体事業を安く売ることになれば、経営陣は株主訴訟リスクに晒されるかもしれないですし…。半導体事業を売却しないで資本増強をする施策はないのでしょうか?私としては…
を、東芝が発行するすることで、半導体事業を売却しないで上場維持する可能性が出てきたのでは?と考えています。通常の、公募増資による株式市場での調達は、今の東芝では難しいだからこそです。
ライツイシューは、既存株主に対する新株予約権無償割当てて、増資を行う手法です。新株予約権は、保有する株式の持分に応じて既存株主に割り当てられ、上場されます。
新株予約券が上場することの既存株主のメリットはなんでしょうか?それは、既存株主が新株予約権を行使して増資に応じるか、または増資による希薄化を避けるために新株予約権を売却するかを選択できることです。なので、公募増資等に比べて既存株主の懐にも比較的優しい資金調達と言われています。
もちろん、これを発行することの課題もあります!東証の上場整備懇親会では、このライツイシューについての課題をまとめています。それは、あきらかに業績が悪い上場企業に偏って発行されてきたという歴史です。下記が、企業属性についてです。
(出所 東証 上場整備懇親会より 平成26年3月までのデータに基づく)
発行後に順調に、企業価値を伸ばし続け注目され続ける企業が存在するのも事実です。しかし、前向きな資金に充てることが出来ず、上場廃止になった企業も存在したり…。
東芝がライツイシューを発行して上場を維持出来れば、半導体事業を手元に置きつつ、以前のような輝きを戻す…となるには、まずは銀行団が発行を認めるかもあるかも。
次回以降では、ライツイシューについてファイナンス理論の視点でも考えていきます!
応援いつもありがとうございます!
研究も仕事も全力精進していきます😊
崔真淑(さいますみ)