”さいますみ/崔真淑”のオイコノミクス

Good ・ News and Companiesの”マクロエコノミスト崔 真淑 / さいますみ”です!資本市場、そして経済学の社会的意義を伝えるのが使命です!身近な話から資本市場の最先端の話まで皆様と一緒に考えていきます!ご連絡先はこちら→info@goodnews.jp.net

NHK BS1「経済フロントライン」出演からの学び。ハイブリッドキャストから、地方経済まで!

 みなさまこんばんは!

 Good News and Companies代表で、マクロエコノミストの崔真淑/さいますみです。

 今回は、先日出演させて頂いた、NHKBS1「経済フロントライン」を振り返りつつ、番組で印象深かったことや、お伝えしきれなかった内容を記していきます。今回は二回目の出演なことや、キャスター、スタッフの皆様のおかげで、出演を更に楽しめたと思います!有難うございます!

 

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(写真は、キャスターの野口さん、竹内さんと。楽しく番組を終えれて、超笑顔な写真に。)

 

Q.1番組全体で驚いたことは?ITでTVはどう変わろうとしているの?

 番組冒頭では、その一週間に注目されたニュースを振り返ります。その後に、注目イシューを深堀していきます。何がすごいって、解かりやすく経済を深堀るだけではなく、ハイブリッドキャスト対応(!)なんですよね。

 番組進行と同時に、手元のスマホで用語解説を見れたり、番組内容を確認できるんです。ハイブリッドキャストとは、NHKさんを中心に開発された次世代放送規格です。TVにIT(通信)の要素を加え、視聴者もインタラクティブに番組に参加できる仕組み。例えば、NHK「かおテレビ」では、自分で主人公を作れちゃいます。

 

 他局では、関西の朝日放送の試みも注目されています。なんと、CMに対しても、視聴者の反応を見れるとか。CMへのコメントを集めることで、視聴率でしか計測できなかったCM効果を、より詳細に測定できるとか… 

 TVの次の形を、肌で感じた一日にもなりました!

 

Q.2 で、経済ネタでは何に注目したの?

 「あ・す・ヨ・ミ」のコーナーでは、イマの日本経済の動向について解説しました。17日に4-6月GDP(経済の基調を示す指標)が発表されます。順調に経済回復を示すのか?、停滞していくのか?を、写真のボードを使って、野口さんとの掛け合いでお送りしました。特に地方の足=軽自動車販売の停滞や、消費についての解説を行いました。大都市圏の回復が、地方にはなかなか循環しいていないようです。

f:id:saimasumi:20150813145100j:plain(写真は番組内でつかったボードの縮小版。崔の顔も!)

 

Q.3なぜ、大都市の経済回復≒地方の経済回復と、スムーズにいかないのか?

 昔は、大企業の受注企業が地方に多く点在していました。しかし、現在は大企業は海外で製造し、海外で販売する地産地消の流れに。。理由は、海外で需要が伸びているから。一つの仮説ですが、こうしたことが、大企業が多い大都市圏で景気が回復しても、地方経済にすぐに連動しにくいと思われます。これは、日銀短観(企業の経営への気持ちを示す経済指標)を県別の推移を見てもうかがえます。

 また、こうした流れも重なり、都心と地方の賃金格差も縮小しにくい…この状況では、円安等によるコストUPを価格転嫁できない地方企業は多いと思われます。

(この辺りは、詳しくはこちらのブログで→http://saimasumi.hatenablog.com/entry/2015/07/28/203623

 

 

Q.4そんな中で、注目している地域とは?

 私が個人的に注目しているのは、島根県松江市です。コンピュータープログラミング言語のルビーのメッカとして、街のブランディングが進んでいます。ルビーを使える人材を増やすだけでなく、その分野に関する集積地域として有名です。そのおかげか、県内ソフト系 IT 企業の 2012 年度の売上高は 178 億円と、2007 年 度対比 5 割程度増加しています。また、従業員数も約 1,900 人と約 4 割増加し、雇用も増えているのです!

 IT企業を家賃の安さで誘致しようとする地域は増えています。しかし、ビジネスに効く情報というのは、オフラインで得られることが多いです。同業者が沢山集まるようにし、その業界に関する情報が集まる街創りが出来ないと、誘致というのは難しいのではないでしょうか? そんな視点からも、松江市には注目しています!

 

 

今日も読んで頂きありがとうございます!

応援いつもありがとうございます!

 

崔真淑/さいますみ

 

日経CNBC「崔真淑のお金好かれる働き女子学」を振り返る:~仕事運を上げる方法を真面目に考える!~

 みなさまこんばんは!

 Good News and Companiesの、マクロエコノミストの崔真淑/さいますみす!   

 今回は、週末に帰省したことで得られた教訓。そして、日経CNBC「崔真淑のお金に好かれる働き女子学」毎週金曜日18時45分~50分で放映中の内容を交えて記していきます。今回のテーマは、仕事運を高める方法についてです。

 

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(出所:日経CNBC「崔真淑のお金好かれる働き女子学」紹介WEBページ 撮影風景です!)

 

Q.1帰省先で感じたことは?そこから得た教訓とは?

 この週末、三重県の実家に帰りました。地元の同世代ビジネスパーソンと、話をする機会がありました。そこで気になったのは、ITツール活用法・情報収集の方法…都心で流行しているITツール認知度が高くないと感じたことです…「こんなアプリ、ツール使うと仕事の効率度も増すし、創造的なことに更に時間使えるよん!」と紹介したら喜んでくれました。

 振り返ると、私も重要なITツールは、オフラインでIT関係者から直接知ることが多かったです。(私的な経験ですが)そこからの教訓は、どれだけIT化が進んでも、重要情報を得られる機会は、オンラインだけでは頼れず、オフラインも非常に重要だということです。なぜ、起業家が根津や渋谷に、そしてシリコンバレーに集まるかを、改めて肌で感じました。

 そんな教訓から、今回はオフラインの出会いが、どう仕事運を高めるかを考えます。

 

Q.2仕事運がある人は、どんな傾向があるの?

 仕事運の高い人の特徴を、超科学的に分析された文献はないのでしょうか?そんな中で出会ったのが、矢野和男氏の書著「データの見えざる手」(草想社)です。斬新な視点が沢山あり、崔も夢中になって読みました。

 彼は、自分を含め関係者に、ウエラブルセンサを付けてもらいました。そこから得られた100万個のデータを元に、仕事運の高い人の特徴を実証したのです。ここでいう仕事運が良い人というのは、仕事の遅延が少ない人や、問題解決能力に長けている人を指しています。では、どんな人が仕事運が高かったのでしょうか?

 答えは、知り合いの知り合いが多い人でした。理由は、身近な友人等の知り合いが少なくても、その先にある知り合いの知り合いの数が多いと、知恵を借りれる確率が高くなるのです。友人や仕事仲間に相談しても、答えが見つからない場合があります。でも、その友人が「じゃあ、私の友達に聞いてみるね!」と、協力してくれたことありませんか?

 

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(出所:矢野和男著:「データの見えざる手」、制作:日経CNBC、日経映像)

 

 

Q.3 私たちは、これをどう活かせばよいの?

 矢野和男さんの研究では、社員同士の繋がりがある企業ほど、開発遅延が少ないなどの傾向が見られています。繋がりが、企業価値に大きく影響してそうですよね。会社で行事やイベントを行うには一理あるようです。企業内で、コミュニケーションを円滑にするための施策を行っているのは、無駄でなく要ってことですよね。

 投資家ならば→企業見学、訪問などで社員同士の繋がりをチェック!仲の良さは企業価値向上の源泉になりかねないと意識!

 働き女子・男子ならば→単にロジカルに仕事を進めるだけでなく、いつもの仲間だけで時間を過ごすのでなく、広く小さくコミュニケーションの輪をつくる。そして、知恵を借りれる確率を高める!

なんて、ことが有効ではないでしょうか?考えてみたら当たり前なのですが、なんでもオンラインだけで済ませることができず、こんな時代だからオフラインの出会いを大切にしたいですよね。

 

Q.4 でも、知り合いからの情報と、知り合いの知り合いから得られる情報に違いもあるのでは?

 と、疑問に思った人も少ないくないはず。それは、スタンフォード大学のグラノベッター博士の、社会ネットワーク研究論文にヒントがあります。詳細は、こちらを見てね♡

(宣伝になって恐縮です。初月無料ですから!)

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(制作:日経CNBC、テイクワン)

 

 

 

おかげさまで、番組も第2クールに突入しました!

いつも応援ありがとうございます

引き続き燃えていきます!

 

崔真淑/さいますみ

 

 

 

国内3000kmの移動で見えてきた地方経済のイマ!なぜ、無形資産への投資が大切なのか?

 みなさまこんばんは!

 Good News and Companiesの、マクロエコノミストの崔真淑/さいますみです!

この1ヶ月、講演の仕事で様々な地域への出張しました。地方経済活性化のヒントを、総括としてまとめます。新潟県編はこちら青森県編はこちらへ

今回のお話は、月曜レギュラーを担当しているBSJAPAN「日経モーニングプラス」のコーナー『さいますみのマーケットラボ』の話も交えて書いています!

 

Q.1そもそもどこ、どこに出張に行ったの?

 東京から大阪、新潟、青森へと約3000kmを移動しました。各地で地方経済のリアルを、伺うことが多数ありました。非常によく聞いたのは「円安つらいよ~」という声でした。地方は都心に比べて、地元に根付くスーパー・飲食業等のサービス業比率が高い傾向にあるようです。今、仕入れ価格が、円安で値上がりしつつあります。もちろん、販売価格に価格転嫁できれば問題はありません。しかし都心と比べて賃金格差が大きく、円安コストUP分を、直ぐに価格転嫁できないことが課題です。

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(制作:BSJAPAN、日経映像)

 

Q.2なぜ、賃金格差が大きいの?

 賃金水準を規定しうる労働生産性の改善が、地方で起きていないのです。労働生産性は、①資本・設備の質、②労働の質、③技術革新度(TFP)の3つで決まります(もちろん、この3つだけに分解することの短所もあります。話がそれるので、ここではふれません)。成熟した日本では、①の質は非常に高く、今起きている設備投資需要も更新需要がほとんどのようです。②に関しては、高齢化していく中で数は減っても質を高める可能性は十分にあります。となると③が気になりますが…

 下記のグラフは労働生産性上位10と下位10を県別に並べたのです。。労働生産性を決める①②③の要素を色で区分けしています。都市圏に比べて、地方は技術革新度(TFP)の停滞傾向にあります。これが原因で労働生産性を下げ、賃金格差を埋められない背景にあるようです。では、こうした地域で技術革新度を高めるためにはどうしたらよいのでしょうか?

 

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(制作:BSJAPAN、日経映像)

(出所:RIETIディスカッション・ペーパー 13-J-037) データは2009年時点

 

Q.3技術革新度を高めるためには、どうしたらよいの? 

 こうした地域の企業で技術革新度を高める投資が少ないことが影響しています。技術革新度を高めるには、無形資産投資の拡大が必要です。企業の技術革新度を高めるイノベーション活動に必要な支出は無形資産として蓄積され、付加価値をうみだす生産能力となって現れます。  

 実は、OECDデータ、内閣府レポートや、各種論文等で、無形資産と企業の生産性には密接な関係が示されています。例えば、以下のような結果が示されています。

①無形資産ストック蓄積の多い国ほど、労働生産性が高い傾向
バブル崩壊後、日本は無形資産投資が低迷している
③無形資産投資の内訳では、日本は情報化資産等への投資が多い。欧米では経済競争力に繋がりやすい広告宣伝費、人的投資が多い
等です。
 
 
Q.4そもそも無形資産ってなに?どうしたら増える?
 そもそも無形資産とは、a)データベース等の情報化資産、b)著作権やライセンス等の資産、c)ブランド力や人的資本、組織資本等の経済競争力という3つがあります。上記③にあるよう、日本はc)が相対的に不足しています。この無形資産投資を、増やすためにはどうしたらよいのでしょうか?
 私は地方経済の金融情勢、企業情報が集約している地方金融機関の支えが重要になると考えています。地方金融機関の情報生産性を高めるための、デット・ガバナンス向上が課題と思われます。私の予想は、金融庁は、こうした技術革新度が低迷している地域の金融機関ほど再編を進め、地方経済の新たな牽引として再生するのでは?と考えています。 これからさらに、地方経済の支え役として地方金融機機関に関するニュースは増えそうですね。
 

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(制作:BSJAPAN、日経映像)

 
ここまで読んで頂き、ありがとうございます!

いつも、応援ありがとうございます!

引き続き、よろしくお願いします!

 

崔真淑/さいますみ

 

 

 

 

(制作:BSJAPAN、日経映像 BSJAPAN「日経モーニングプラス」は平日6:38~放送中!)

 

 

 

 

年前半を振り返る!:ビジネスウーマン雑誌出演の学び!なぜ、不安な時代だからこそ「好き」が大切なのか?

みなさまこんばんは!

Good News and Companies代表で、マクロエコノミストの崔真淑/さいますみです。

年前半振り返りシリーズ第三弾です!前回の内容はこちら。実は、年前半はビジネスウーマン雑誌出演が重なる期間でもありました。

 

Q「シティリビング」ではどんな内容を?

フジサンケイGPサンケイリビング新聞社のフリーペーパー「シティリビング」では、経済・投資ビギナー読者3人の自腹チャレンジ特集でお世話になりました。チャレンジする前に、私がレクチャーします。その後1ヶ月間で、どこまで行動に移せたのかをウォッチしています。3人の日々の取り組みを見てたら涙がでそうに…

指標の読み方云々だけでなく、長い目で付き合うのだから「好き」を信じて選んでねとお伝えしました。(ちなみに、「OL経済知恵袋」も連載中です☆)

f:id:saimasumi:20150725233513j:plain(写真は登場させて頂いた3媒体です)

 

Q2.「プレジデントウーマン」は、どんな内容を?

プレジデント社の「プレジデントウーマン」では、ピケティの話を軸に展開しています。ここでは、経済力を考える前に健康投資の重要性も触れています。資産を蓄積・運用することも重要ですが、健康あっての経済力ですしね。別の機会に触れますが、所得と運動量って正の相関を見せる国が多いです。

 

Q3.「SPUR」は、どんな内容を?

集英社のファッション雑誌「SPUR」では、「明日と戦うために、今日読む本30」というコーナーで、おすすめ経済本を紹介しています。格差拡大で資本主義の限界という声も聞きますが、効率重視の資本主義の形が変わるだけでは?と考えています。そんな考えを元に本をチョイスしました。

ミニコラムでは、IT化が進んだ先には『人間がやるから意味がある世界』が待っているという私の考えをお伝えしています。ファッションでも道徳的に正しいかが問われ、「エシカル」という言葉が出てきています。その製品、サービスにストーリーを感じるのが当たり前の世界になり、人間の思いに価値を認める世界が待っているかと。現代アートなんて、まさにその代表ですよね。「好き」という思いを大切にすることが更に重要な社会になると思います。 

 

Q4.全体を通して感じたことは?

こちらのブログでも書きましたが、今の経済・社会情勢って不確実性が高くて、金融経済と実体経済がリンクしあうことで現状維持が難しいですよね。OECDでは、想定外のことが起きても、直ぐに立て直せるリスクヘッジ能力とタフネスさを発揮できる「レジリエンス」が人単位でも国単位でも必要と説いてます。そして、そのレジリンスに大きく貢献してくれるのが「好き」の力だと思います。「好き」なことだと、苦しいことがあっても、その事象をマクロな長期目線で考えられる余裕も出てきます。

と、感覚・フィーリングを重要に感じる女性だからこそ、今回のお仕事では「好き」を大切にしてほしいを前提に進めました。 やっぱいやいやだと生産性は落ちるけど、好きだと仕事も早いですよね~!

 

今日も読んでくださりありがとござます!

応援ありがとうございます!

引き続きよろしくお願いします!

 

崔真淑/さいますみ

 

 

年前半を振り返る!:フジテレビ「みんなのニュース」出演の学び。なぜ、専門用語を使わないことが重要なのか?

みなさまこんばんは!

Good News and Companies代表で、マクロエコノミストの崔真淑/さいますみです。

前回に続いて、年前半の活動を暑さで忘れないうちに、反省点と一緒に記していきます。今回は6月11日に、フジテレビ「みんなのニュース」に出演させて頂いた時のことを!

 

Q1.何を話したの?

フジテレビ「みんなのニュース」には、「ふかぼり」というコーナーがあります。みんなが気になる、でもよくわからん!というニュースをテーマに、専門家が解説します。私が出演した回は、資本市場が活況となっている中で、投資信託が人気化している背景を解説しました。なぜ、この日かというと、国内の投資信託総額がはじめて100兆円を超えた日だったんですね。資本市場が熱狂的な背景と、ネットを通して投資信託を買う人が購入者の1割程度しかいないことを解説。フィンテック分野で伸びしろがあるのは、決済だけでなく投信も大きそうですよね。

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(写真はGood News and Companiesのチームメンバーが撮影。スタジオでは忙しすぎて撮影できず…椅子がすごかった…)

 

Q.2そもそも、解説するときに心がけてていることは?

おかげさまで、現在はラジオ、CS放送、BS放送、地上波で担当番組を持たせてもらってます。心がけるべきは、カバー世帯数に応じて、専門用語レベル感を考えること。

例えば、「A社がリキャプCBで設備投資する背景」を解説しようとします。ここではA社が設備投資に踏み切る話が主目的であり、解説に40秒しか使えないとします。となると、リキャップCBという聞きなれない言葉を解説している暇はありません。リキャップCBを債券と株式の中間の金融商品と表現するか、または新たに資金調達してと、ザックリ表現するか、考える必要があります。もちろん、リキャップCBをじっくり説明する場合は違います。

 

と、偉そうに書いてますが、まだまだ×100な私は専門用語を使って後悔することも多々あります。そんなときでも共演者にフォローしてもらったり、視聴者の方がTwitterで質問してくれたりと、支えて頂いてるのを噛みしめる毎日です。

 

Q3.フジテレビ「みんなのニュース」の気づきとは?

とはいえ、担当しているのは経済番組。株式、債券の定義から説明する機会は、それほどありません。説明するにしてもサラッと10秒程でします。

しかし!今回は違った!夕方のニュースなだけに、ビジネスパーソンだけが視聴者ではありません。構成段階から、スタッフの方々と考えました。とにかく、専門用語を使わずに「翻訳」することを心がけました。

数学が苦手な人に、テイラー展開について熱く語っても、はぁ?って思いますよね。経済に馴染みがない人に、GDP成長率が~、IMFが~、ECBの量的緩和によって~、コーポレートガバナンスが~、いきなり伝えたら嫌になって当然ですよね。でも慣れてくると、しらずに使うことも…

今回は、伝えるための心構えにおいて、初心に戻れました。専門性が重要な世の中だからこそ、分野が違う人に何かを伝えるためには、謙虚に何者にも染まらない素人感覚を維持することが、強みとなりそうです。 と、偉そうにいってますが、私も修行中です(汗)。

 

ここまで読んでくださりありがとうございます!

いつも応援ありがとうございます!

引き続きよろしくお願いします!

 

崔真淑/さいますみ

 

年前半を振り返る!:「News Picks プロピッカー第一弾メンバー」の学び。~なぜ、書くことが重要なのか?~

みなさまこんばんは!

Good News and Companies代表で、マクロエコノミストの崔真淑/さいますみです。

いや~暑い日が続いきますね。そんな暑さで忘れないうちに、年前半を反省も兼ねて忘備録としてまとめてみます。今回はNews Picksから学んだことと、なぜ書く技術が重要なのかを書きました。

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(こちらのプロフィール写真は、プロピッカーになるときに撮影して頂いたものです。トレードマークの三日月目の写真です!!)

Q1.News Picksでどんな活動をしたの?そこからの学びとは?

今年の3月から6月まで、News Picksでプロピッカー第一弾の活動に携わりました。プロピッカーとは、News Picksチョイスの各分野の専門家メンバーです。各自の分野・持ち味を活かしてニュースをピックし、コメントと共に情報発信します。経済、金融、法律、教育、…と面白い方々ばかりで、そのコメントから学ぶことばかり。「継続」発信の難しさを改めて感じました。

ピックしだすと、ネタの重複やパターン化されてくるのです(笑)専門知識の視点から、専門でない分野に対して、どんな視点で斬ることで、読み手に貢献できるかは、今後も意識したいです。任期終了後は、第一弾プロピッカーメンバー、第二弾プロピッカーメンバーとの交流会も開催され、充実した期間となりました。

 

Q2.特集記事では、どんなことをしたの?そこからの学びとは?

この期間は、ニュースをピックするだけでなく特集記事や連載にも携わりました。『ビジネス書は本当にビジネスの役に立つのか』では、私が考えるビジネス書の付き合い方を伝えています。難しいなぁと思ったのは、ビジネス書の「定義」でした。ビジネス全般に関わる指南書といっても、どこまでが指南書なのか…。会議で、言葉の「定義」なくして進み、話が合わなずに、やり直した経験ありませんか?私はめっちゃあります(笑)アカデミックな世界も言葉の定義がないと、軸が定まらないし議論も発展しないです。

 

例えば、資本市場研究では、直接金融と間接金融ではどちらが、企業価値向上と社会コスト削減に寄与するかが研究されています。その中で、日本の銀行系列上場企業と独立企業を分析しているのですが、系列ってどういうことでしょ?その銀行と同じ財閥系なら系列なのでしょうか?Hoshi, Kashyap and Scharfstein, 1991, “Corporate Structure, Liquidity, and Investment: Evidence from Japanese Industrial Groups” では、メインバンクとの借入、株式所有に基づいて系列企業と独立起業とに分類し分析をスタートしています。 ということで、私も改めて「定義」を意識せねばです。

newspicks.com

 

Q3.連載では何を書いたの?そこからの学びとは?

連載では、自己紹介を兼ねてマクロ経済・資本市場の世界に携わるきっかけと、今起きている資本市場改革の話を書かせていただきました。テーマの「幅」を広くとりすぎ、今後の課題も多かったです(汗)。「幅」が広く、タイトルの付け方や、どこまで深めるべきか迷いながら書いているところもありました。あとは、自己紹介を書くことがこんなにもドキドキするのかと思いました。事象を解説することはあっても、自分を解説することはほとんどないので…

 

そして、News Picksユーザーさまから、ダイレクトにコメントを頂けるのは本当に有難く、今後の糧にできました。ありがとございます!

newspicks.com

 

Q4.で、全てを通して感じたのは?「書く技術」が重要と思った背景は?

何がすごいって、その場で自分の考えに対する反応を、見ることができることです。つい10年前は、ありえなかったわけです。インターネット進化でNews Picks、メール、FB、Twitter、ブログ、エントリーシート、…で、私たちは、書いて書いて書いて書いて書いて書きまくってるのです。10年前より書く機会は激増しています。

このネット社会では書くことが減ることはないと思います。そうなると、書く技術って本当に本当に本当に重要なスキルだし、ビジネス上の重要度も更に増すはず。

 

私は、書く技術は未熟です。News Picksは、経済ニュースを知るだけでなく、なぜ「書く技術」が重要なのか、そしてそのために「継続」「定義」「幅」の重要性を考えさせてくれました。貴重な機会に感謝しています。コメントから書く技術を向上したい方にも、News Picksはおすすめです。

 

ここまで読んでくださりありがとうございます!

引き続きよろしくお願いします!

崔真淑/さいますみ

「東芝」の不適切会計を、海外メディアはどう見てる?

みなさまこんばんは!

Good News and Companies代表で、マクロエコノミストの崔真淑/さいますみです。
今日、東芝の田中久雄社長は記者会見を行いました。責任を明らかにするため辞任が発表されました。さて、東芝の不適切会計について海外メディアはどうみているのでしょうか?ざっと、目についたものだけを簡単にまとめました。印象的なのは、今回の事件を「accounting scandal」と表現しているところでした。
(…何が言いたいかは察してください(汗)) 
 

www.cnbc.com 米CNBCは、今日の株価上昇と東芝のビジネス環境についてです。当初言われていた減額幅は約500億円でしたが、第三者委員会の調査結果では約1500億円の下方修正が必要と指摘されています。しかし、今日の東芝の株価は6%を超える上昇を見せました。減額幅がどの程度か判明し、不透明感の薄まりを好感したのでは?としています。東芝のビジネス環境については、今回の不適切会計事件に関係なく厳しいとの論調が並んでいます。主要ビジネスであるNAND型フラッシュメモリーは、スマホ需要の鈍化から、業績は鈍化していくと予想。実際、東芝と提携している米サンディスクの株価は、スキャンダルは皆無なのに、今年に入って40%も株価が下がっていると…

(私が機関投資家の方に、東芝企業価値って何が要になってくると思います?と聞くと、もう米サンディスクの価値しかないよ!なんて厳しい指摘も出ていました。)
  

 

www.bbc.com  BBCは、米証券取引委員会がどのようなアクションを取るかが、東芝の懸念事項として挙げています。今後の東芝のビジネス環境に対しては、米CNBC同様に、韓国、中国のハイテク企業と競争面で既に厳しい状況と指摘しています。これを機に、選択と集中が起きるかに注目とのことです。

 

Scathing report says Toshiba CEOs had role in accounting scandal

 

 こちらは英FTの記事。日本メディア同様に「チャレンジ」の存在や、当初言われていた減額幅が3倍以上に膨らんだことを指摘しています。コーポレートガバナンスを強化しようとしている安倍総理の努力に水を差したと書かれています。私見ですが、東芝への対応の仕方は、内閣支持率にも間接的な影響や、海外投資家の日本株への見方に大きく影響が出ると思います。

 

  

ここまで読んでくださりありがとございます!東芝厳しい環境続きそうですね。

ある方に海外主要経済メディアを10年続けて読むと人生が変わるよと言われました。外から日本がどう見られているか意識するのは重要ですよね!

引き続きよろしくおねがいします!

 

崔真淑/さいますみ